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「貿易戦争勝利宣言」はトランプ大統領が引っ込みのつく機会を探しているサイン
本誌評論員 蘭辛珍  ·   2018-08-14
タグ: 貿易戦争;関税;経済
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「貿易戦争で米国は勝利しようとしている」、「関税が大きな効果を上げている。確かに彼らの経済に打撃を与えている」。これは米国のトランプ大統領が投稿したツイッターの内容だ。一部の米国メディアはこの観点に基づいて中米貿易戦争で米国が勝利する証拠を見つけ出し、勝利の到来を祝った。

米国は本当にもう勝利したのか?実際には、中米貿易戦争は始まったばかりだ。双方はリングに上がったボクシングの選手のように、対戦相手と紳士的に軽く手合わせをしたに過ぎない。勝敗が決まるのはまだ先だ。

トランプ大統領と一部の米国メディアが見るところ、中米貿易戦争が始まって以来中国の株価が下落し、世界第2の市価を持つ資本市場から日本よりも下の世界第3位になったのは、トランプ大統領が貿易戦争を始めた功績による。ほかにも、中国経済が米国の課した関税の打撃を被り始め、中国の対米輸出が縮小されたことも、トランプ大統領が貿易戦争を始めた功績によるものだ、と公言している。

これに類した「証拠」はほかにもまだある。しかしこれで米国が勝利した証明になるだろうか?ならないのは明らかだ。

まず、トランプ大統領が最も気にかけている中国の株価下落状況を見てみよう。実際には、今回の中国の株価下落は2015年から始まっており、その頃トランプ氏はまだ米国大統領ではなかった。株価下落の主な原因は中国政府が経済モデル転換を推進し、金融リスクを取り除くためにデレバレッジ政策を取ったことだ。2018年に入ってから、中国の株価は確かに2017年よりもさらに下落する傾向を見せている。米国が始めた貿易戦争の影響もあるが、その原因にはデレバレッジに対する市場の懸念が依然として含まれている。つまり、トランプ大統領が中国の株価下落を自身の功績だとするのはやや無理があり、中国の経済発展と資本市場をよく知る人々を納得させることはできない。

次に、関税の中国経済への打撃を見てみよう。2018年上半期、中米貿易戦争の舌戦はすでに始まっていた。国際投資家への影響力は非常に大きかったと言えるが、実際には国際資本がそのせいで中国市場から引き上げることはなく、依然として中国への投資を続けた。商務部が発表したデータによると、2018年1~6月の中国の実質外資使用額は安定・小幅増となった。1~6月に全国で新規設立された外資系企業数は2万9591社で前年同期比96.6%増、実質外資使用額は683億2000万ドルで前年同期比4.1%増だった。

輸出入状況も同様だ。7月6日、米国は正式に中国の関連商品に対し関税をかけ始めたが、中国税関総署のデータによると、7月の中国の輸出入総額は2兆6000億元で、12.5%増加した。そのうち輸出は1兆3900億元で6%増、輸入は1兆2100億元で20.9%増だった。中米貿易戦争の影響は受けていない。

中米貿易だけで言うと、7月の中国の対米輸出は2676億6000万元で5.6%増、米国からの輸入は870億6000万元で4.3%増だった。このデータからも、トランプ大統領の言うところの勝利がどこにあるのかを見て取ることはできない。

では、中米貿易戦争が始まってからほんの1カ月で、トランプ大統領が勝利を宣言したのはなぜか?それは、トランプ大統領が中国との交渉で引っ込みがつく機会を探していることと関係があるのではないか。

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