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対米報復関税に込められた警告的意味合い
梅新育  ·   2018-04-18
タグ: 貿易戦争;保護貿易;経済
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トランプ大統領がどれだけ「気まま」であっても、客観的な経済法則の試練は経なければならない。トランプ大統領の多くの考え方は、客観的経済法則の前で必ず行き詰まるだろう。そのうちの一つが、一方的に貿易戦争を発動することで、貿易相手国が米国にとってより有利な市場参入ルールに従わざるを得ないようにし、米国の国内市場を保護し、それによって米国の実体経済を再建するという考え方だ。そして中国に対する貿易戦争発動はまさしくこの考え方をベースにしている。彼は製造業の米国回帰を促し、米国の経常収支赤字を縮小することを望んでいる。問題は、彼が米国の福祉制度と労働組合制度を全面的に改革できなければ上記の目的は達せられないということだ。しかも米国経済が繁栄し続け、税制改革後に米国の従業員給与が上がるといった要因が輸入を刺激し、それによって経常収支赤字が膨らむ。ましてや中国の国力は他国とは比べ物にならない。彼の貿易戦争における横暴なやり方は多くの国を屈服させられるが、中国にその手は通じない。 

同時に、サブプライムローン危機以来、米国経済の回復はすでに8年近く続いており、今年第1四半期終了時点で、現代に入ってから米国で2番目に長い経済成長期となっている。しかしながら、景気循環を回避することはできない。次の衰退期はいつ、どのような形でやってくるのか?特に、今回の回復で上がり続けた米国株式市場にどれだけのバブルが育っているのか?それはいつ弾けるのか?トランプ大統領の執政能力、再選可否、貿易政策、貿易戦争への対応にどのような影響を与えるのか?冷静かつしっかり見つめるに値する。 

「高きところは寒さに耐えず」というように、上り詰めた分、落ちる時もひどくなることが懸念される状態にある米国株式市場は、中米貿易戦争の衝撃を前にして確かに非常に脆弱な動きを見せている。特に北京時間4月4日の通商法301条制裁リスト公表後、トランプ大統領が仮に大規模に制裁輸入関税を課せば、必然的に米国のインフレ圧力がいっそう強まり、それによって連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを加速し、米国株式市場のハードランディングを招く確率が高くなるだろう。 

トランプ大統領が中国に対し貿易戦争を発動した重要な動機の一つは、今年の中間選挙対策である。しかしその思考に問題があるため、そしてその対中貿易戦争にもウィークポイントが多くあるため、この貿易戦争が中間選挙に有利に働くとは限らない。実際、中国側が4月4日に公表した報復関税リストには、トランプ大統領支持層の基盤に打撃を与えようという考えが体現されている。中国側が25%の報復関税を課すとした自動車、農産物などの主な生産地は、まさしく2016年米国大統領選挙でトランプ大統領を支持した州にあるのだ。 

反グローバル化の趨勢と貿易戦争が、世界一の輸出大国である中国の貿易に直接的な悪影響を及ぼすことは疑う余地がない。しかしさらに大きな背景から見てみると、新興大国である中国の長期的利益に最も合致する局面は、米国という守成の大国と良性の競争を実現することだ。孟子曰く、「入りては則ち法家拂士なく、出でては則ち敵国外患なき者は、国恒に亡ぶ」。外部競争からの適度な圧力は、我々が絶えず自身を改善し、変えていくことに役立つ。同時に、改革開放以来、中国は現行の国際体系内で経済的に立ち直ることに成功した。米国の現在の反グローバル化のやり方は、我々が40年近く実施してきた、現行体系機関の助けを借りて成長する戦略を損なっているように見える。しかし考え方を変えてみるとどうなるか?今の状況は、客観的な「G2」構造を作る上でチャンスを生む可能性もあるのではないだろうか? 

「北京週報日本語版」2018年4月18日

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