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劉樹林教授 細菌系統学の長年の難題をクリア
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本誌記者 劉婷 · 2017-10-25 · ソース: |
タグ: 医学;細菌系統学;文化 | 印刷 |
恩師との約束の他に劉氏に帰国を決心させたのは、中国の伝統文化に対する深い思慕だった。「私は幼い頃から中国の伝統文化を大切に感じてきました。日本では中華文化圏に近いところも多く環境に順応することができましたが、カナダでは馴染みの文化を感じる場面がなく、1990~1993年の3年間は『文化の砂漠』の中を彷徨いました。その後街のチャイナタウンに中華文化センターを建設しました。建物は天壇を真似ており中華文化を彷彿とさせ、私はようやく『文化のオアシス』を見つけたのです」。
2001年末、中国での研究条件を調査した後、劉氏は中国科学院院士(学士院会員)・韓啓徳さんの推薦により北京大学医学部に所属することになった。そして54歳の時、楊宝峰校長に招かれて母校であるハルビン医科大学に戻った。
2013年、劉氏の研究チームは細菌種を区別する方法を探し出し、細菌における天然種の概念を提起し、それらを定義する要素を確立した。これは細菌系統学における長年の難題解決のために全く新しい理念と客観的根拠を提示し、現在までに多くの特許も申請している。
近年、劉氏の研究チームはHIVワクチンの新キャリア研究も行っている。「我々のHIVワクチンの新キャリアはすでに試験が行われ、特許の申請と論文の発表もされています。現在腫瘍研究の重点は天然の抗癌物質の発見と使用についてです。我々はすでに効果がある天然の抗癌物質を発見しており、集中的に分析しています。将来、人類の抗癌戦略に新たな道を開くかもしれません」。
帰国して15年。劉氏は中国の急速な発展を誇りに感じている。「数千年に及ぶ人類の歴史を見ても、これほどまでに急成長を遂げた民族は他にいません」。同氏は母校で学生らを指導し、彼らと共に科学研究の第一線をひた走っている。劉氏は学生たちに知識とスキルを持って世界へ挑戦することを奨励し、同じ領域の人々と切磋琢磨し共に成長すべきだと教えている。「もしも自分の知識とスキルがなければ、新しい世界へ飛び込んだとしても意味がありませんし、見向きもされないでしょう」。劉教授は多くの学生を北米、ヨーロッパ、日本などの学術と科学研究機関へ送り訪問・交流させ、また外国人学生と研究者の来訪も受け入れてきた。
彼の研究チームの直近の主な目標の一つは、天然の抗癌物質を1日でも早く治療に使用できるようにすることだ。
「北京週報日本語版」2017年10月25日
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