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中国医学で乳腺医学の難題を解明する
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本誌記者 李一凡 · 2018-06-19 |
タグ: 中国医学;医学;社会 | 印刷 |
朝8時、北京の西郊外に位置する中国中医科学院西苑医院の外来診察ロビーは人の流れが絶えず、多くの人で込み合っていた。乳腺診察室の外には、全国各地から来た患者が長い列を作り、張暁軍教授が見事な治療でたちまち病気を治し、長年の苦痛を取り除いてくれるのを待っていた。診察室の中では、張教授が患者に根気よく病情を説明し、自らが長年治療してきた病例を例にとって、患者の気持ちを落ち着かせ、励まそうとしていた。
西苑医院外一科副主任、主任医師、中国医学・西洋医学乳腺癌予防診療全国専門家委員会主任である張暁軍教授の外来診察を受けるのはかなりの難関だと言えるだろう。しかし、張教授はいつも予約以外の患者の診察にも対応している。外来診察はもともと半日のところを、夜9時まで診察することもしばしばで、昼の休憩時間も無駄にせず患者を診察する。午後2時にあわただしく昼食を食べると、コーヒーを1杯飲んで気分をすっきりさせ、それからまた診察を続ける。こんな忙しいスケジュールが張教授の日常になっている。「好きなことだからつらいとは思いませんよ。私のところにくる患者の多くは泣きながらやって来ますが、診察室を出る時には笑顔です。他のどんなことも及ばないほどの達成感です」。張教授は本誌の取材を受けた際、こう語った。
患者の脈を見る張暁軍教授(石剛 撮影)
中国医学療法で形質細胞性乳腺炎が治癒
張教授は幼い頃から中国医学と縁があった。「小さい頃、父親の友人に中国医学の医者がいて、よく家に来て私を診察してくれたのですが、診てもらうといつもすぐによくなりました。だから中国医学はとても神秘的だと思っていた。小さい頃から煎じ薬の匂いをかぐのが好きでした」と張教授は言う。中国医学に無限の魅力を感じた張暁軍少年は、中学2年の時からベテランの中国医学の医者について勉強し、後に首都医科大学中国医学学部に入学。卒業後は西苑医院の外科に勤務した。
張教授は外科に入った理由をこう説明した。「中国医学を学ぶ男子学生は多くありませんでした。実習で縫合手術をする時には、女子学生がみな怖がってやらなかったので、手術は全部私と先生でやりました。長くやっているうちに、外科には『嘘がない』と思うようになったのです。外科手術はできる時はできる、できない時はできない。あいまいなところが全くない。当時西苑医院の外科はまさに医師を必要としていました。それで行くことにしたのです」。外科には入ったが、張教授が中国医学を断念することはなかった。「治療の過程で中国医学が使えるとなれば、針、点穴(ツボを押す治療法)、按摩など、様々な治療法を自分で施しました。そうしたら、なかなかいい結果が得られましてね。患者のほうもつらい思いをせず楽でした」。こうして、張教授は中国医学と西洋医学の結合の道を歩み始め、しかも自身が中国医学と西洋医学の結合の面で積み重ねた基礎をよりどころにして、乳腺疾患治療に専門的に取り組み始めた。
2008年のある日、張教授はある乳腺病の専門家からの電話を受けた。ある患者が形質細胞性乳腺炎と診断され、3回再発し、西洋医学の医者が様々な方法を試したが治癒しないという。張教授は中国医学を学んだ上に外科もやっていたので、専門家は張教授に試してもらおうと考えたのだ。
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