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中国医学で乳腺医学の難題を解明する
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本誌記者 李一凡 · 2018-06-19 |
タグ: 中国医学;医学;社会 | 印刷 |
形質細胞性乳腺炎は現在も病因が不明で、しかも近年発病率が高まる傾向にある。臨床症状としては、しこりや赤い腫れ、ただれ、膿流出などによる乳腺外形の変化が見られる。その病変範囲に規則性はなく、しかも徹底的に切除するのは容易ではない。乳腺疾患は極めて夫婦関係に影響を与えやすく、家庭が不安定になり、患者は生理的な苦痛を味わうだけでなく、極めて大きな心理的負担にも直面しなければならない。
患者に病情を説明する張暁軍教授(石剛 撮影)
張教授は中国医学の角度からアプローチして形質細胞性乳腺炎の病理研究に打ち込み、最終的に内服薬と外用薬を組み合わせた方法で治療を行うことに決めた。「中国医学は効果が出るのが遅く、その方法は西洋医学から疑問視されていました。あきらめようかと思った時期もありました」。取材の際、張教授は内心を吐露した。しかし多くの女性患者を救うため、張教授はあきらめず、最終的には何種類かの中医薬によって形質細胞性乳腺炎の治療ですばらしい効き目が得られ、外傷もなく外形も損なわずに治療を行うことができた。それだけではなく、術後の傷の癒合でもこの療法は良好な効果を上げた。張教授の中国医学療法は患者の間で評判になり、現在、毎年全国各地からやって来る延べ1万人の患者を診察し、さらには海外に住む中国系の人々までわざわざ診療を受けにやって来るようになった。「乳腺病治療は私のライフワークです。もともとは多くの人が中国医学でこの病気が治ると信じていませんでしたが、今では私の療法を認めてくれる病院や患者がますます多くなっています」と張教授は語った。
「中国医学と西洋医学は矛盾しない」
習近平総書記は中国共産党第19回全国代表大会報告で、中国医学と西洋医学を両方とも重視し、中国医学・薬学事業を継承し、発展させていく、と指摘した。2016年に行われた全国衛生・健康大会でも、習近平総書記は「中国医学と西洋医学を両方とも重視する姿勢を堅持し、中国医薬と西洋薬の相互補完と協調発展を推し進めることは、中国の衛生・健康事業の著しい優位性である」と強調している。外科で働く中国医学の医者として、張教授は深く感銘を受けた。「中国医学と西洋医学は矛盾しない」と張教授は言う。「総合病院は現代医学の保障が必要で、救急医療や手術などでは西洋医学がなければならない。しかし中国医学にも中国医学の優位性がある。一部の西洋医学で解決できない問題や、手術をするほどでもないとか西洋医薬を用いるほどでもない病気、さらには保健・保養・術後の養生などは、中国医学で解決することができます」。形質細胞性乳腺炎の治療についても、中国医学と西洋医学は互いに協力し、共同で効果を発揮することができる、と張教授は考えている。「手術に反対はしません。中国医学と西洋医学はうまく結びつく点を見つけることができる。まず中国医学でしこりや外傷を最も小さい状態にできれば、患者の負担も当然最も小さくなります」と張教授は言う。
中国医学と西洋医学は矛盾せず、多くの分野で相互補完できるとはいえ、中国医学が多くの場合西洋医学から認められていないというのは争いようのない事実だ。張教授は、「中国医学は科学的で信憑性のあるデータで語り、根拠に基づいた医学で説明する必要がある。そうして初めて西洋医学に中国医学を信用させることができる」と考えている。「私が今やっているのはまさに西洋医学に中国医学を認めさせ、それから中国医学を世界へと普及させていくことです」。張教授はきっぱりと言った。
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