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第24回北京国際図書博覧会のトークイベントに莫言氏が登場
成瀬明絵  ·   2017-08-25
タグ: 図書博覧会;莫言氏;文化
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莫言氏に質問をするドイツ人の中国研究家・Kubin氏 

ドイツ人の中国研究家であるKubin氏は「近年、短編小説ではなく長編小説を書くようになったのは何故ですか」と質問した。莫言氏は「大きな理由として、短編では表現したいことが満足に伝えきれなくなったからです。全ての出来事や登場莫言氏に質問をするドイツ人の中国研究家・Kubin氏人物を充分に描写しようと思うと、自然と物語は長くなります。もちろん短編小説で膨大なストーリーを表現できる素晴らしい作家もいますが、そのような作品はとても少ないように思います。もう一つの理由としては、短編小説から書き始めて、中編小説、長編小説と段階を踏むと執筆しやすいからです。これは中国の作家たちの共通認識とも言えるかもしれません」と回答した。 

更にKubin氏は、80年代に発表された作品は現代的だが90年代以降の作品は保守的なものばかりだと指摘。それに対し莫言氏は「私は自分の作品が保守的であるとは思いませんが、作品の解釈は読者の数だけあって然るべきです。読者は自分の考えを表明する自由があり、私は一作家として様々な方面から寄せられる批評に耳を傾ける必要があります。しかしそれは彼らの意見を受け入れるということではありません。同意できない場合は反論もします。私は、このように議論を通じて相互理解を深めていけるような状態は正しい在り方だと思っています」とコメントした。 

莫言氏に質問をするドイツ人の中国研究家・Woesler氏 

ドイツ人の中国研究家のWoesler氏は「小説は外国人にとって、その国を知るための大切なツールの一つだと思います。ノーベル賞受賞後、外国人がご自身の作品を通して中国を理解する可能性を意識したことはありますか」と問いかけた。莫言氏は「執筆の時は、なるべく読者のことを考えないようにしています。読者を軽視しているのではなく、様々な読者の嗜好全てに合う作品を書くことは不可能だからです。もしも読者のことを考えるとすれば、中国人作家として、まずは中国人読者を想定します」と答えた。 

また莫言氏は、9月に5年ぶりとなる新作を発表すると表明。雑誌『人民文学』には戯曲の脚本および詩歌、雑誌『収穫』には短編3作品が掲載される予定だ。これらは故郷の山東省高密市で書き上げ、長い作品でも1万字に満たない。「ノーベル賞を受賞し、私の作品に対する期待は高まっていることは感じていますし、良い作品を提供することは私の使命でもあります。ノーベル賞を受賞する前は、作品がある程度のレベルに達した段階で出版していました。しかし今では何度も書いては修正し、せめて自身が納得のいくレベルにならないと皆さんに発表する気になりません」と作品発表に対する気持ちの変化を打ち明けた。ノーベル賞受賞という大きな経験をした莫言氏の目には世界がどのように映っているのか。来月発表の新作には世界中の注目が集まる。(文・写真:本誌記者成瀬明絵) 

「北京週報日本語版」2017年8月25日

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