日本の海上自衛隊はこのほど、釣魚島(日本名・尖閣諸島)をめぐる中日衝突の兵棋演習を行い、日本側を「奮起させる」結果を自作自演で示した。日本の艦艇や航空機はわずかな損害で、解放軍の2個艦隊を「撃破」したのだ。この「ビッグニュース」を日本メディアは大いに過熱報道し、日本右翼勢力はひとたび中日間の海戦が勃発すれば中国の「敗北は必至」となおさらに「欣喜雀躍」した。(文:国防部(国防省)伝播局副局長、幹事。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国の軍事専門家のほとんどはこうした兵棋演習の茶番劇を一笑に付している。これは日本側の「一方的願望」に過ぎず、現代版「畳の上の水練」と言える。少しでも軍事常識のわかる人ならみな、兵棋演習は戦争のシミュレーションに過ぎず、真剣と実弾で行うのとは全く別の話だということを知っている。他のことはともかく、もし中日間で本当に海戦が起きた場合、双方の艦艇や航空機が出動する前に日本側は中国のミサイル戦力の威力を考慮しないのだろうか。
日本が領土主権と海洋権益を守る中国の断固たる決意と意志、日本の合従外交に対する国際社会の「冷ややかな扱い」、そして国内の支持率の最低更新を顧みず、「日本勝利、中国敗北」のお笑いを公然と宣伝するのはなぜか?
その背後には周到な計略と並大抵でない苦心がある。
第1に、国内右翼勢力の後押し。日本の近年の挑発行為、もめ事を引き起こす動きのほとんどは右翼勢力が推し進めたことに起因する。釣魚島紛争も日本右翼勢力が巻き込み、推し進める中でヒートアップしたのだ。兵棋演習の「戦果」の宣伝は、釣魚島をめぐる事態の解決に役立たないばかりか、右翼勢力ののさばりと気焔を助長し、狂躁を誘発し、下手すると偶発的な軍事衝突を招きうる。
第2に、中国に対する心理的抑止。いわゆる兵棋演習のスクープには、「心理的抑止効果」の狙いがある。われわれに対して軍事的恫喝と心理的抑止を行い、平和的交渉で勝利を得るためのカードを増やし、戦わずして勝つことを企んでいるのだ。以前、日本の野田首相が海上自衛隊観艦式を仰々しく行ったこと、自民党の安倍晋三総裁が靖国神社を参拝し、「1ミリの土地たりとも中国に譲ることは断じてない」と言い立てたこと等々、全て対中「心理戦」なのだ。
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