中国通信設備メーカーの米国市場参入阻止には、明らかに政治要因が決定的役割を果たしている。経済がグローバル化する今日、こうした保護主義的やり方には警鐘をならすべきだ。
本誌記者 蘭辛珍
10月8日の米下院情報委員会の「華為(ファーウェイ)、中興(ZTE)の米国安全保障に対する脅威」に関する報告の影響を受けてか、世界第2の通信設備メーカーである華為が上場準備を速めている。華為メディア部北京事務所のスタッフは本誌に対し華為が上場準備をしていることを否定したが、記者が一部ルートから入手した情報では、華為はすでに一部国際会計事務所や投資銀行と接触し始めており、上場地は香港かロンドンになる見込みだという。
市場関係者は、「華為が上場するのは、透明度を高め、米国などの市場で大口契約獲得の確率を上げるため」と見ている。世界の5大通信設備メーカーのうち華為は唯一未上場であり、しかもその米国での事業活動が政治家によって妨害されている……10月8日、米下院情報委員会は1年近くに及んだ華為と中興通訊に対する調査結果を公表し、2社の米国での業務拡張が「米国の安全保障を脅かしている」と見なした。同報告は、「米国政府はこの2社の設備使用を避け、米国企業も華為と中興通訊に替わる通信設備サプライヤーを探すべき」との意見を示している。10月14日、米国会は再び華為と中興に対する第2回調査をスタートさせた。
2010年6月3日、深圳の華為本社で設備メンテナンスを行う華為研究開発スタッフ (新華社)
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