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周永生氏 |
日本の野田内閣は発足以来、中国への対抗・利用政策を日増しに鮮明にしている。対抗政策と協力・利用政策は以下の面に現れている。(文:周永生・外交学院国際関係所教授、日本研究センター副主任)
■対抗政策
(1)野田首相は国連総会中のオバマ米大統領との会談で、中国の軍事力の急速な発展と不透明性を大いに誇張し、日米が共同で中国の軍事動向を注視することを呼びかけた。日米は中国をねらった軍事演習を繰り返しており、友好国としての中日の側面をすでにほぼ顧みず、対中防衛を公然化させている。
(2)野田首相は9月末にフィリピンのアキノ大統領と日本で会談し、南中国海の安全協力の強化で一致した。両国は共同声明で、日本からフィリピン沿岸警備隊への電子機器の提供、自衛隊の軍艦・要員の派遣による訓練を通じて、南中国海での両国の戦略的協力を強化する方針を表明した。矛先は中国に真っ直ぐ向けられている。しかもこのモデルは、条件が満たされればインドネシアやマレーシアに対しても適用される可能性がある。
(3)野田内閣は武器輸出三原則と基本的に武器禁輸という慣習的規制を破棄し、武器輸出を実行・拡大することで、欧米との軍事技術協力を強化し、衰退する一方の国内軍需産業を救おうとしている。
(4)野田首相は10月16日、航空自衛隊向けの談話で、中国古代の兵法書「司馬法」の格言「天下安なりと雖も戦を忘るれば必ず危し」を引用。「朝鮮の挑発行為に加え、近海での中国の活動の活発化もあり、日本をとりまく安全保障環境は不透明性を増している」と述べ、朝鮮と中国の脅威に対処し、いかなる状況でも国を守るべく準備を整えるよう自衛隊に指示した。
(5)日本は韓国との自由貿易協定交渉と軍事協力を加速し、韓国への抱き込みを強化している。野田首相はインドとの関係強化も望み、今月末に訪印する予定だ。
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