(6)日本のTPP交渉参加政策は、中国を狙ったものだ。これは本来、対外経済協力政策であり、特定の国を考慮に入れる必要はない。だが日本は、この政策を中国と緊密に結びつけている。日本の毎日新聞によると、日本政府関係者は私的な場で「表立って言うことはできないが、TPP自体が地域における対中戦略の一環だ。アジア太平洋地域の自由貿易枠組みは日米が主導すべきだ。そうしてこそ中国を牽制できる」と述べた。長島昭久首相補佐官はTPP交渉参加の意義について「アジアを米中に仕切らせるわけにはいかない。アジア太平洋の秩序は日米が共同でつくるべきだ。こういう視点で、TPP参加の問題を積極的に扱うべきだ」と述べた。民主党の前原誠司政調会長は当初、TPP参加によって中国牽制の目標を達成できると述べたが、後に「TPPを閉鎖的な経済同盟と見なすべきではない」と発言を変え、「TPPが米国の対中包囲網とは思わない」と表明した。
(7)日本は中国漁民の操業への取り締りに拍車をかけている。今年日本は中国漁民を数度追跡・逮捕し、制裁措置を強化した。
これらは日本メディアが中国の脅威を誇張し続ける中、野田内閣が以上の7つのステップで中国に対する封じ込め・対抗戦略政策を構築し始めたことを示している。米国を後ろ盾に、北東アジアから東南アジアまで中国封じ込めの弧を構築する戦略を形成するとともに、強大な軍需産業の立て直しによって中国と対抗するための軍事基盤・後ろ盾を強化しようとしているのだ。
■協力・利用政策
野田内閣は中国との関係において、対抗戦略以外に協力・利用政策も進めている。この政策を最も直接的に示しているのが、日本の外相が11月25日に訪中した際、中国側に提示した以下の要求だ。
(1)原発事故後の日本食品への輸入規制の緩和を中国に要求。日本の核汚染の範囲は非常に広く、現在もなお米や関連商品が汚染されている。EUは日本産品への輸入規制を少なくとも来年3月まで延長した。だが日本は中国に、関係県の農産物に対する輸入規制の速やかな解除を求めている。
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