富士フイルム(中国)投資有限公司の後藤禎一前副総経理は27日、農村都市化の加速や中産階級の拡大を背景に、中国は今後世界最大の医療機器市場になる、との見通しを示した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
後藤氏は第97回北米放射線学会(RSNA2011)に出席した際に取材に応じ、「中国の医療機器市場には期待している。ゼネラル・エレクトリック(GE)、シーメンス、フィリップスなど世界の医療分野巨頭が1990年代に中国市場で先手を打ち、日立、東芝など日本の大手各社も90年代後期から中国市場への参入を始めた。しかし円高が進むにつれ、医療機器輸出の利益は減少、代わって中国市場への投資ペースを加速する日本企業が増えている」と述べた。
後藤氏は「同時に、中国大陸部企業が増加している。5年前にRSNAに参加する中国企業は皆無だったが、今年は10数社となり、出席者数は数百人に上っている」と語る。
RSNA2011は27日から来月2日まで、シカゴのマコーミック・プレイスで開催され、世界各地から業界関係者6万人以上が集まる。
中国の農村医療改革と農村の都市化進展の医療機器市場に対する影響について、後藤氏は「農村都市化の加速により、大量の小都市が生まれ、人々の医療保健に対する需要も増える。しかし小都市の医療リソース、医師の水準は大都市にかなわないため、ITの普及がビジネスチャンスとなる。中小都市の医師はネットを通じて撮影した診断画像を大規模病院の医師に転送することで、診断意見を仰ぐことができるようになる」と指摘する。後藤氏は、富士フイルムは医療IT化の試行を進めており、中国大陸部の企業と協力して、中小都市を対象に医療診断製品・サービスを提供していると明らかにした。
後藤禎一氏は今年1月、7年間に及んだ中国勤務を退任・帰国した。(編集HT)
「人民網日本語版」2011年11月30日 |