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観点  
「エネルギー消費大国の責任論」は人を惑わすもの

 

中国が真に世界第一のエネルギー消費国になったかどうかについて、中国石油大学工商管理学院の王震院長に聞いた。

――国際エネルギー機関(IEA)は7月19日、2009年に中国は石油換算で22億5200万トン(標準炭約32億2000万トンに相当)のエネルギー、米国は同21億7000万トン(同31億1000万トン)を消費し、中国は米国を約4%上回って、「世界一のエネルギー消費大国」となったとする報告書を公表しました。これは事実に合っているのでしょうか。

王震 この数字は、実に人の耳目を惑わすものです。実際、IEAが強調しようとする重点は、中国のエネルギー総消費量がどれほどかにあるのではなく、世界に1つの情報を発信したいのは、つまり「中国のエネルギー総消費量は米国に比べるとおよそ4%多く、世界一のエネルギー消費大国になった」ということなのです。しかも、その後に「中国はすでに世界一の二酸化炭素排出の大国となった」と付記されています。その深層的な意図は推察できないことはありませんが、世論への効果は侮れないでしょう。

9月17日に無錫で開かれた新エネルギー・ソーラー・エネルギー展示会で電気自動車を見物する市民
 
近年、経済の急成長に伴い、中国のエネルギー総需要量も確実に急増しています。国家統計局のデータによると、09年のエネルギー総消費量は標準炭にして31億トンと、05年より8億7000万トン増えています。IEAの数字は32億2000万トンで、この数字は統計局より1億2000万トン多くなっています。2つの総計データに差があるのは正常なことで、どうしても、統計のルートや方法には差が生じるものなのです。しかし、統計局がデータを得たルートはIEAよりずっと幅広く、データ把握に対する精確性や真実性、確実性の度合いもずっと高く、中国のデータがより権威性を備えているのは確かです。

エネルギーの総消費量に関するIEAと統計局との誤差は、およそ3%に過ぎません。これは統計の許容範囲にあり、つまり、この誤差によって、中国は世界エネルギー消費の「第1の席」に座らされてしまった。しかし実は、09年の中国の総消費量はやはり米国をやや下回っており、エネルギー消費問題において、中国は再び「1位にされた」のです。

――経済総量が拡大するにつれ、中国のエネルギー消費も必然的に増大していますが、この問題をどう見ますか。

王震 世界で人口最多の途上国として、中国は経済発展、また人びとの生活改善の角度から見ても、エネルギー消費量が持続的に増加するのは当然であり、真に世界1になるにしても、それはまったく、恐らく間違いないでしょう。中国はこれまで急増するエネルギー消費の問題には真剣かつ厳しく対処し、それを経済社会の発展に対するチャレンジだと見なしてきました。中国はエネルギーを国内に振り向け、自国の資源をもとに供給を満たすことにしています。その一方で、揺るぐことなく省エネ・排出削減を推進し、エネルギー消費構造の改善を主導し、エネルギー消費効率を大幅に向上させるとともに、エネルギーを節減するよう積極的に提唱しています。とくに新エネルギー技術の発展と応用では、目に見える成果を上げました。

現在、新エネルギーの開発では、中国は4つの面で世界ナンバーワンを誇示しています。まず水力発電、太陽光発電による温水器利用、原子力発電、そして風力発電です。総じて言えば、世界のエネルギー消費大国であろうとなかろうと、中国は自らの発展に目を向け、いささかも動揺することなく、省エネ・排出削減・新エネルギー・技術開発の道を歩み続けています。これが自国に対する責任、世界に対する責任でもあるのです。

「北京週報日本語版」2010年8月30日

 

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