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中国を透視する―中国・一問一答  
問 先進国とは異なるが、中国経済は今まさに「豊かにならぬうちに高齢化社会にある」という問題に直面している。中国の高齢化社会はどんな特徴があるのか。高齢者の合法的な権益を保障し、高齢者事業と経済社会との調和のある発展のために、どんな措置を講じていくつもりか。

 国際的に通用する基準に照らせば、中国は1999年に高齢化社会に入った。統計によると、現在、60歳以上の高齢者は1億4300万人で、総人口の11%を占めている。10年には1億7400万人に達し、総人口の約12.78%を占める。この予測に基づけば、高齢化のピークは30年に訪れることになる。

人口の高齢化は世界規模の問題ではあるが、中国は格別際立っている。現在ところ、次のような特徴がある。

まず、高齢者人口の絶対値は世界の高齢者総数の5分の1を占めて世界のトップであり、50年までに4億人を超える。

第2に、平均予想寿命が大幅に伸びて、高齢化傾向が強まっている。

第3に、高齢化社会に入っても、1人平均GDPは1000ドルに達していない。その時点での先進諸国はほぼ5000~1万ドルだった。経済力が一定の程度にまで達していない時に高齢化社会を迎えれば、必ずさまざまな問題にぶつかる。社会全体の消費構造、労働力総数、社会保障なども大きな変化と挑戦に直面することになる。

第4に、独居老人や配偶者と暮らす高齢者が急速に増えつつあり、しかも都市化の発展と生活様式の変化につれ、その数がさらに増えている。

第5に、農村の高齢者の養老の問題が深刻化している。都市化が進み、若い農民が都市に移動し、農村の高齢化が速まっていることから、高齢者を支える家庭の能力も低下していくだろう。

政府は人口の高齢化に積極的に対応するため、今後の一定の期間、社会保障への財政投入を増やし、さまざまなルートから社会保障基金を調達し、保障の基準と方法を合理的に確定し、高齢者が生活しやすくなるための基盤施設の整備を促進していく。また、高齢者の家庭と社会が一体となったサービスネットワークを構築し、対象範囲が幅広く、しかも持続できる、経済と社会にふさわしく、その他の保障制度とリンクされた老人社会保障体制を徐々に構築することにしている。

また、高齢者産業を国民経済発展の総合計画と国の支援する業種に盛り込み、税収面で優遇するとともに関連費用を減免するほか、融資などの措置を講じることで、立ち上がったばかりの高齢者産業を大々的に支援していく。また、個人や外資などに対しても高齢者産業への参与を奨励し、指導し、適正化することで、等級の異なる老人サービス施設を設立するほか、企業に対しては、高齢者のそれぞれの需要に合った多種多様で経済的な施設を提供するよう指導していく方針だ。

現在、中国の高齢者人口は年平均3%以上の速度で増えている。人口の高齢化を前に、政府はより効果的な措置を講じて、高齢者事業と経済社会のバランスの取れた発展を推進し、高齢者も経済社会の発展による成果を享受できるよう努力し、「老いても扶養する者がいる、老いても治療する者がいる、老いても教える者がいる、老いても学ぶものがある、老いても為すことがある、老いても楽しむものがある」といった目標を真に実現したいと考えている。

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