(七)文化体制の改革を深化させ、文化の大発展と大繁栄を推し進める
文化体制改革の政策・措置をさらに実施し、充実させ、文化の創造・革新を推し進め、文化の建設を強化し、人民の文化面の基本的な権益を保障し、文化市場の繁栄をはかり、日増しに伸びる人民のさまざまな文化的需要を満たすようにする。マルクス主義の中国化の最新の成果をもって人民を教育し、社会全体に中国の特色をもつ社会主義の共通の理想を確立させ、愛国主義を中核とする民族精神および改革・創造革新を中核とする時代の精神を大いに発揚し、社会主義の栄辱観の教育を突っ込んでおこなう。和諧文化の構築を推し進め、公民のモラル建設プログラムを実施し、文明的な社会気風の醸成に努める。特に青少年の思想モラル建設を強化すべきである。文明創建活動を深く繰り広げる。人民のために尽くし、社会主義に奉仕する方向を堅持し、百花斉放、百家争鳴という方針を全面的に貫徹する。哲学・社会科学を発展させる。報道・出版、ラジオ・映画・テレビ、文学・芸術の繁栄をはかる。優れた精神文化製品の創作を奨励し、政府による資金投下の度合いを大きくして、社会全体をカバーする公共文化サービスシステムの構築を速め、公益的文化事業の建設を強め、わけても、コミュニティーや農村における文化施設の建設を強化する。郷・村総合文化センターの建設を急ぐ。文化情報資源を全国的範囲で共有し、ラジオ・テレビをすべての村に普及させ、農家のための図書室や、映画放映プロジェクトを推し進める。公益的性格をもつ博物館、記念館、全国愛国主義教育模範基地などの施設は、今年か来年をめどにすべての無料開放を実現する。文化産業政策を充実させ、文化産業基地と地域的特色を持つ文化産業群の形成を速める。インターネット・ウェブサイトの整備と管理を強める。文化市場の規範化をはかり、「ポルノ一掃・不法出版物取締り」を堅持する。民族の文化遺産の保護を強める。対外文化交流の拡大をはかる。都市農村で公共のスポーツ施設の整備を強化し、全国民の健康維持・増進キャンペーンを広く展開し、競技スポーツのレベルを絶えず高める。
二〇〇八年はオリンピックとパラリンピックが北京で開催される。これは中華民族のすべての子孫が待ち望むイベントであり、わが国の経済・社会の発展を促進し、中国人民と世界諸国人民との友好と協力を増進するうえで重要な意義をもつ。諸般の準備作業と組織作業をしっかりとおこない、国際的連携を緊密にし、良好な環境を作り、特色のある、ハイレベルのスポーツの祭典が成功裏に開催されることを確保する。
(八)社会主義の民主・法制の整備を強化し、社会の公平・正義を促進する
政治体制の改革を深化させ、社会主義の政治文明を発展させる。人民民主を拡大し、民主制度を健全なものにし、民主の形式を充実させ、民主のルートを切り広げ、法律に基づいて民主的選挙、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督を実行し、人民の知る権利、参画権、意思表示権、監督権を保障する。末端における民主を発展させ、末端の大衆自治制度を充実させ、彼らの自治範囲を拡大し、都市農村におけるコミュニティーの建設を推し進め、政務の公開、村務公開、企業事務の開示を突っ込んで推し進める。大衆の参画を拡大し、大衆の苦情や要求を反映させる社会組織の積極的な役割を発揮させ、社会の自治機能を増強する。
法律に則って国を治めるという基本的方略を全面的に貫徹する。政府による立法を強化し、立法の質を高める。今年は、民生の改善、社会の建設の推進、エネルギー資源節約、生態環境保全などの分野における立法を強化することに重点をおく必要がある。政府による立法においては広く意見を聴取すべきである。大衆の利益と緊密にかかわる行政法規、規則の制定にあたり、原則としてはその草案をすべて公表し、社会に公開して意見を聴取すべきである。行政法執行の権限を合理的に確定、調整し、行政法執行の監督を強化し、行政法執行責任制を全面的に実行する。市・県政府の法律に基づく行政制度を充実させる。行政的費用徴収に対する規範的管理を強化し、財政による司法、法律執行保障メカニズムを改革し、健全化する。法規、規則とルール化した文書についての登録・審査の仕事を強化する。行政再審査体制を整備し、行政補償制度と行政賠償制度を充実させる。法的サービスと法律援助を上手におこなう。法制の広報・教育を突っ込んで繰り広げ、全社会が意識して法律を学び、法律を守り、法律を運用するような良好な雰囲気を形成する。
社会の管理を健全なものにする。社会組織の建設を強化し、末端における社会管理体制を強化する。投書・陳情受理の仕事を上手におこない、関連制度を充実させる。社会矛盾調停メカニズムを健全化し、人民内部の矛盾を適切に処理し、大衆の合法的な権益を擁護する。社会治安防犯・抑制システムを整備し、社会治安総合対策を強化し、安心・安定・安全を創り出す活動を突っ込んで展開する。都市農村のコミュニティーにおける警務を改革し、それをさらに強める。流動人口向けのサービスと管理を強化する。際立った治安問題や治安が乱れている地区おいて集中的に総合対策を行い、違法・犯罪活動を法律によって防止し、それに手痛い打撃を加え、人民の生命・財産の安全を保障し、社会の大局の安定を確保する。国の安全保障を強化する。
安全生産への取り組みを強める。事故の根源への対策に大いに力を入れ、安全に関わる重大な事故の発生を食い止める。炭鉱ガスの対策と不法炭鉱の整頓・閉鎖という二つの難関突破の成果を定着、発展させ、重点業種における安全特別対策を引き続きおこなう。安全に関わるさまざまな潜在的事故要因に対する調査や対策を強め、重大な潜在的事故要因の対策、重大な危険源の監視制度を充実させ、予報、早期警報、予防及び応急救援システムを健全なものにする。法律によるモニター管理を強化し、生産の安全性にかかわる事故を厳しく取り調べ、処理する。
(九)行政管理体制の改革を速め、政府自体の建設を強化する
行政管理体制の改革は改革を深化させる重要なポイントであり、政治体制改革の重要な内容であり、社会主義市場経済体制の健全化をはかるための必然な要請でもある。行政管理体制改革のトータルな原則と要求は下記の通りである。人間本位、人民のための執政を堅持し、社会主義民主政治の発展と社会主義市場経済の発展に順応することを堅持し、科学的民主的政策決定、法律による行政、行政監督の強化を堅持し、管理の刷新と制度の革新を堅持し、中央と地方の二つの意欲を引き出すことを堅持する。機能を転換させ、関係を整理し、構造の最適化をはかり、能率を向上させるよう力を入れ、権利と責任を一致させ、責任分担を合理化し、政策決定を科学的にすすめ、スムーズに執行し、監督が力強くおこなわれるような行政管理体制を形成すべきである。
一、政府機能の転換を速める。これは行政管理体制改革の中核となる。政府職責体系を健全化し、政府機能を全面的かつ正確に全うし、サービス型政府を確立するよう努める。経済の調節、市場の監督・管理を強化すると同時に、社会の管理と公共サービスにさらに気を配り、社会の公正と社会の秩序を維持し、基本公共サービスの均等化を促進する。業種協会、商会及びその他の社会組織としての役割の発揮を重視する。
二、政府機構の改革を深化させる。今回の国務院機構改革案では、主として機能転換をめぐって、マクロコントロール部門の機能を合理的に配置し、業種管理機構の調整と完備化をはかり、社会管理部門と公共サービス部門を強化し、職能が有機的に統一された大部門体制の実施を探求し、そして、職責の交差や、権利と責任がかみ合わない問題に即して、部門による責任とその権限をはっきりと確定し、部門の職責関係を整理し、部門間の協調・協力メカニズムを整備することが決められている。国務院機構改革案については、今期の大会に提出し、審議を求めることになる。
三、行政に対する監督制度を完備する。制度によって権力を行使し、事務を処理し、人を管理することを堅持する。行政権力の監督を強化し、行政許認可行為を規範化する。政府の各クラス・各レベルの監督を強め、監査、会計検査などの専門的な監督役割を十分発揮させる。自覚をもって社会の諸方面の監督を受ける。行政問責制度と政府の業績評価管理制度を推し進める。公務員陣の整備を着実に強化する。法律・法規や行政規律を厳しくし、命令を下したが執行されず、禁令を出しても止めないといった現象を断固改めなければならない。政務の公開の推進に力を入れ、政務情報開示制度を充実させ、事務公開の諸制度を完備させ、政府活動の透明度を高め、人民が政府を効果的に監督できるような条件を作り出す。
四、廉潔政治の建設を強化する。腐敗反対・廉潔提唱をより目立つ位置におき、姿勢を鮮明にして腐敗に反対すべきである。末梢と根本の問題をともに解決し、総合対策や措置を講じ、懲罰と予防に同時に力を入れるが、予防を重視する方針を堅持し、腐敗の懲罰・予防システムの充実化を着実に推し進める。とりわけ、権力が過度に集中し、制約に欠く問題を解決する必要がある。根本から制度の整備を強化し、財政の移転支出、土地と鉱産資源の開発、政府の統一調達、国有資産譲渡などの公共資源の管理を規範化する。環境保全や、食品・医薬品の安全、安全生産、土地収用および家屋立ち退きなど面での大衆の苦情が募っている問題の解決を重点とする特別対策への取り組みに力を入れ、大衆の利益を損なうよこしまな風潮を断固として是正する。刻苦奮闘することを大いに提唱し、贅沢三昧や無駄遣いの行為を断固食い止める。さまざまな違法・規律違反の案件を厳しく取り調べ、処理し、商業贈収賄の撲滅を突っ込んで展開し、法律に則って腐敗分子を厳しく処罰し、決してそれを放任してはならない。
代表の皆さん!
わが国は統一した多民族国家であり、各民族がともに団結奮闘し、ともに繁栄し発展することを堅持しなければならない。民族区域自治制度を堅持し、充実させ、少数民族地域における経済・社会の発展を促進し、平等、団結、相互協力、調和のとれた社会主義の民族関係を強固なものにするとともに、それを発展させる。宗教事務にかかわる党の基本方針を全面的に貫徹し、宗教事務条例を実施し、経済・社会の発展、促進において宗教界の有識者と信者たちの積極的な役割を発揮させる。新しい時期における華僑事務への取り組みに力を入れ、祖国の現代化建設および平和的統一の大事業における海外華僑、帰国華僑および国内在住のその家族の役割をよりいっそう発揮させる。
国防と軍隊の建設を強化することは、中国の特色のある社会主義を発展させる上での戦略的任務であり、経済の建設と国防の建設を総合的に考慮し、また現代化事業を推進する過程において国家の富強と軍隊の強化の結合を実現させていかなければならない。毛沢東の軍事思想、鄧小平の新しい時期における軍隊建設思想、江沢民の国防および軍隊建設思想を導きとし、胡錦濤同志の新たな情勢下での国防と軍隊建設に関する重要な論述を真剣に貫き、科学的発展観を国防と軍隊建設の重要な指導方針として位置づける。新しい世紀の新段階における軍隊の歴史的使命を全うするということに目を向け、さまざまな脅威に対する軍隊の対処能力と多様化する軍事任務の完遂能力を高め、断固として国家主権、安全と領土保全を擁護し、小康社会の全面的な建設に向けて力強い保障を与えなければならない。人民武装警察部隊の整備を強化し、その執務能力、突発事件対処能力及び反テロ闘争・安定維持能力を向上させる。国防教育を強化し、全国民の国防意識を増強させる。国防動員システムを充実させる。軍隊と政府、軍隊と人民の団結を打ち固める。
引き続き「一国二制度」、「香港人による香港統治」、「澳門人による澳門統治」、高度の自治という方針を揺るぐことなく貫き、香港特別行政区基本法と澳門特別行政区基本法に厳格に則って事を運ぶ。香港、澳門の二つの特別行政区政府の法律に基づいた施政を全力をあげてバックアップし、大陸部と二つの特別行政区との経済貿易や環境保全、科学技術、教育、文化、医療・衛生、スポーツなどの諸分野における交流と提携をさらに強化する。香港同胞と澳門同胞は必ず香港と澳門をよりよく管理し、いっそう立派に建設することができる、とわれわれはかたく信じている。
あくまで「平和的統一、一国二制度」の基本方針および新たな情勢下での台湾海峡両岸の関係の発展、祖国の平和的統一の促進に向けた諸政策を堅持し、両岸関係の平和的発展というメーンテーマをしっかりととらえ、両岸同胞の交流を強化することを奨励し、共通認識を深め、両岸の経済文化交流を積極的に促し、直接の「三通」(直接の通信、通航、通商)を促す。広範な台湾同胞にメリットをもたらす政策・措置を実施し、充実させ、海峡西岸及び台湾業者の投資が相対的に集中しているその他の地域の経済の発展をサポートする。一つの中国の原則を踏まえて、両岸の話し合いと交渉が一日も早く回復するよう努力し、両岸同胞が関心を寄せる重要な問題の解決に取り組む。「台湾独立」をもくろむ分裂活動に断固反対し、いかなるものが、いかなる名義で、いかなる方式によって台湾を中国から切り離すことも絶対に許さない。中国の主権と領土保全にかかわるいかなる問題も、台湾同胞を含む中国人民全体でともに決定しなければならない。大陸部と台湾が同じく一つの中国に属するという現状を変え、台湾海峡の平和をぶちこわそうとする「台湾独立」分裂勢力の画策は失敗を運命づけられている。海峡両岸の統一は中華民族の偉大な復興のための歴史的必然である。国内外の中華民族の子孫がともに奮闘すれば、祖国統一の大業は必ずや成し遂げられるであろう。
新しい年において、われわれは引き続き平和、発展、協力の旗印を高く掲げ、独立自主の平和外交政策を堅持し、平和発展の道を堅持し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を堅持し、恒久の平和、共同の繁栄を目指す調和のとれた世界の構築を推進する。先進諸国との友好協力関係の発展に努め、周辺諸国との善隣友好関係を全面的に深め、発展途上国との連携と協力を大いに強化し、多国間の外交活動を積極的に展開し、重要なホットスポットの問題及びグローバルな問題の適切な解決を促し、わが国の公民と法人の海外における合法的権益を擁護する。中国政府と人民は各国の人民とともに発展のチャンスを分かち合い、リスクや挑戦に立ち向かい、ともに人類の平和と発展の崇高な事業を推進していくことを願っている。
代表のみなさん!
過去五年間の成果を振り返ってみると、人々は大いに力づけられることだろう。未来の発展を展望するならば、人々を奮い立たせ前進へと駆り立てることだろう。偉大な祖国は新たな歴史の征途に向かって歩を進めており、限りなく明るい前途が開けている。われわれは胡錦濤同志を総書記とする党中央の指導のもとに、中国の特色のある社会主義という偉大な旗じるしを高く掲げ、鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を導きとし、科学的発展観を深く貫き、徹底させ、思想を解放し、改革、創造・革新につとめ、着実に仕事をし、小康社会の全面的建設で新たな勝利をかちとるため奮闘努力しようではないか。
「人民網日本語版」2008年3月19日
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