答 1949年の新中国建国後、公証制度は旧ソ連を参考にして確立し、発展させてきたもので、紆余曲折の道をたどった。1950年代、国際慣行の必要から処理した数少ない渉外公証を除いては、国内の公証業務はほぼ停滞状態にあった。「文化大革命」(1966~1976年)期間には、この制度はほぼ廃止された。1978年の改革開放実施後に復活し、1982年に最初の公証関連法規『公証暫定条例』が制定された。
1979年の復活以来、公証機関と職員数はある程度の規模まで拡大してきた。統計によると現在、全国で公証事務所は約3150カ所、職員は1万9000人余りにのぼり、年間取扱件数は1000万件を超えている。公証の内容は契約や遺言、相続、学歴、自己証明、海外取引など14種、約200項目を数え、公証証書は100数カ国・地域に郵送されている。大量の渉外公証を取り扱うことで、対外交流と協力も一段と促された。
それにもかかわらず、先進国に比べ、中国の公証制度はまだ発展の初期にあり、体制やメカニズム、管理方式などの面で無視できない欠陥が存在している。立法が遅れている、公証に高次元の法律規範や法体制の保障が欠けているなどだ。公証制度の役割はまだ社会から認められておらず、また重視されておらず、その機能もまだ十分には生かされていない。公証の仕事自体になお脆弱なところが多く、さらなる改善と強化が待たれている。
社会的信用が公証の魂であり、公証制度の存在と発展の礎石でもある。中国の特色のある公証制度を確立し、完備したものにするため、政府は05年8月に「公証法」を公布し、施行した。この法律には、公証の取り扱いに当たっては、法律と客観性かつ公正を順守する、という原則が追加され、公証機関は営利を目的とせず、法律に基づいて公証の職責を独立して行使し、民事責任を独立して負うという性格が明確にされた。また公証人の権利と義務、義務に違反した場合の法的責任を規定し、公証機構と公証人に対する監督・管理を強化するなど、多方面から中国の公証制度をさらに完備させている。
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