答 1980年代以降、中国は相次いで政府機構の改革を5回行っており、政府の職能はかなり大きく転換し、市場経済体制に適合した行政管理体制がほぼ確立された。しかし、法治政府を構築する目標と必要性に比べると、現行の行政管理体制には適さないところが数多くある。例えば主に、政府の職能の転換はまだ完全には実行されていない、管理上の越権行為、欠如やずれが存在する、組織構造とその権限、職責の設定がまだ科学的でない、職能の重複がまだ根本的に解決されていない、法に基づく行政能力、法に基づく事務処理能力とレベルがまだ低い、形式主義が依然として深刻であるなどだ。そのため、行政管理体制改革を一段と速めることが、改革を全面的に推進するカギとなっている。
今後5年間、政府は行政管理体制改革の推進を引き続き重要な位置に据えることを決定した。また、基本的な目標も確定した。政府の職能を転換し、行為規範を確立するとともに、協調性があり、公正かつ透明度が高く、廉潔で効率の高い行政管理体制を運営することで、経済調整と市場の監督・管理、社会管理と公共サービスに従事し、関連する職責を全力挙げて履行する責任ある政府にしていく。また、市場の主体のために問題を解決し、良好な環境を創造することに力を尽くすサービス型の政府にする。全面的に法に基づいて行政を行い、法律の厳格な監督・管理を受ける法治政府にしていくつもりだ。
この目標を達成するため、次のいくつかの面から改革を推進していく。
第1は、政府の職能の転換を加速する。マクロやミクロの面から管理し、大小の出来事を把握することから、主に経済調整や市場の監督・管理、社会管理と公共サービスに努める方向へと転換させる。政府と事業体、非営利団体、市場仲介組織との関係を一段と円滑にし、政府と事業体との分離、政府と非営利団体との分離、政府と市場仲介組織との分離を実現する。同時に、近代的企業制度の確立を積極的に推し進め、事業体を分類して改革を行い、市場仲介組織を発展させて適正化する。政府の実績と効率を科学的に評価するシステムを確立して完備する。公務員とくに行政職員の選任制度を充実させる。政府の職責の公正な履行に役立つ財政保障制度など、関連する改革を実施する。
第2は、行政の審査・認可制度の改革を一段と進める。範囲を縮小し、方法を充実させることで、審査・認可プログラムを適正化する。同時に、関連する法制度の整備を推進し、経済的手段と法的手段を十分運用するために、良好な体制基盤と社会的環境を整備する。
第3は、政府の機構改革をさらに進める。政府機構の構成をさらに調整して、党・政府機構の構成を合理的に適正化し、上・下級政府機構の構成についても調整することで、行政の階層を減らす。
第4は、重大な政策決定に関する調査研究・公聴制度や、重大な事項に関する集団による政策決定や専門家諮問制度、失策追究制度の確立、整備を急ぐ。同時に、過失是正メカニズムを健全化する。様々な方法を講じて適宜に過失を発見し、科学的な手順を通じて、過失を効果的に是正し、失策による損失を最低限に抑えるよう努める。 |