夢のない人に、未来はない。そして夢のない国と民族も、将来の発展は難しい。
過去数十年、中国は世界に注目される偉大な成果を収めた。世界経済が低迷し多くの国がソブリン債務危機に陥る中で、中国のGDPは依然8%の持続的成長を保ち、世界経済の回復を力強く牽引し、国際金融市場安定に大きく貢献してきた。さらに2012年には中国のGDPが初めて50兆元を超え、またも世界の焦点となった。
今、中国はすでに米国に次ぐ第2の経済体となり、世界最長の高速鉄道網と最大規模の自動車製造業を有し、エネルギーや科学技術、航空など多くの分野で奇跡を起こした。国民生活水準にも顕著な向上が見られた。
これらすべては、中国人の民族復興に対するたゆまぬ追求と切り離すことはできない。アヘン戦争後に不平等条約締結を余儀なくされてから国家解放と民族独立へ、中華人民共和国建国初期の苦難から改革開放後の高度成長へ、物資窮乏で配給制だった貧困状態から富める社会へ、列強の侵略分割から世界各国の重要な政治経済協力パートナーへ。そのいずれの過程でも、中国人は一貫して民族復興を主軸として努力・奮闘し、その足跡には長い歴史の重みある民族の夢と期待が刻まれていた。
中国共産党の指導の下、中国人は平和的繁栄を遂げて強国となり、再び世界民族の中にそびえ立つ夢にますます近づいている。
しかしそれと同時に、発展の不均衡による問題や矛盾も表面化してきている。産業構造の非合理性、科学技術革新能力の弱さ、一部生態環境の悪化、社会道徳心の低下、貧富格差の拡大など、多くの要因が中国の今後の発展に影響し、障害になっている。こうした問題を解決し上手く処理できるかどうかが、中国共産党の前途だけでなく、中国民族復興の夢の実現、さらには中国人一人一人の前途と運命にも関わってくる。
2012年11月、中国共産党は第18回全国代表大会を開催し、習近平氏を総書記とする新たな中央指導部を選出し、現在の情勢を冷静かつ深く分析した後、今後40年にわたる中国共産党と中国人民の努力方向と2つの段階的目標をはっきりと打ち出した。それは以下のようなものだ。
「社会主義市場経済体制の改善加速」と「経済発展モデル転換加速」、そして経済・政治・文化・社会・生態文明の「五位一体」となった建設を推進し、社会経済の全面的かつ協調的で持続可能な発展を実現する。2020年の中国共産党設立百周年までに、「小康社会」(ややゆとりのある社会)を全面的に実現する。今世紀中頃の中華人民共和国建国百周年までに、豊かで強く、民主的かつ文明的で調和の取れた社会主義現代化国家を打ち立てる。
「2つの百年」の奮闘目標には、「人間本位」で科学的かつ調和の取れた発展理念を凝縮されている。また、中国人民を率いて素晴らしい未来を創り上げるという中国共産党の自信と決意を表すとともに、民族復興に向けた中国人のたゆまぬ追求と奮闘の精神も映し出している。
新たな目標を前にして、中国人民の夢に再び火が灯された。難関を突破する大きな勇気と理想のために奮闘する断固たる信念を抱いて、13億の中国人の智恵と力は勢いある大きな力へと結集されつつあり、中国人民と人類が共通に持つ、平和安定と幸福な生活という希望のために邁進している……