本誌記者 繆暁陽

1958年当時の南寧、邕（ヨン）江の上にはまだ大橋がなく、新華街にあった給水塔（写真左）が当時では最も高い地点の目印であった（資料写真）

1974年には南寧、邕江の上に唯一の自動車道路橋が見られ、邕江ホテル（写真右）がたいへん人目を引く高さで、70年代の高い建物の目印となった（中共南寧市委員会宣伝部提供）

2009年．南寧、琅東新区五象広場の北西部にある地王大廈が今の最高建造物の目印だ。（繆暁陽　撮影）

南寧は昔から邕州と呼ばれ、深い歴史・文化を持つ辺境の古い都市だ。長く青い山脈がその南部を遮り、高くそびえる昆侖山脈がその北部を守り、美しい邕江が都市を貫いて流れ、とりわけ、恵まれた地理的位置と１年中温かい南部の気候によって、南寧は中国南部の辺境に嵌め込まれた「緑の真珠」として人々を魅了している。

現代文明のしるしとして、都市は国あるいは地域の総合的実力を体現している。新中国成立以来、南寧市の国民経済成長は輝かしい成果を上げた。遅れた辺境の要衝から千億元あまりの生産総額を持つ賑やかな都市まで、60年は瞬く間に過ぎ去り、激しい世の移り変わりの中で、南寧市の経済はどのように成長してきたのか、取材した。

困難を切り抜け、ゆっくり前進

「建国以来、南寧市の経済成長には大きく分けて改革開放前と改革開放後の2つの主な段階がある」と南寧市発展改革委員会の尹平副研究員は述べた。改革開放前の南寧市はどんな状況だったのか。広西チワン族自治区の電力網会社の資料によると、南寧市のすべての大通りでやっと街灯が取り付けられたのは1962年だという。南寧市で50数年暮らしてきた運転手の黄平さんによると、1964年に邕江の上に初の自動車道路橋が建てられ、1988年にはすでに二番目の橋があったという。南寧駅の退職した労働者の沈雲生さんによると、1978年には南寧駅初の旅客運搬用のプラットホームがあったという…「改革開放前の南寧市は確かに比較的遅れていた」と尹平氏は語った。

1978年に中央が改革開放の重大な政策を決定した後、南寧市には巨大な変化が生じた。南寧市環境保護局の夏成副局長は、「90年代以前、南寧市はずっと戦争の最前線であったため、国はここで大規模なプロジェクトを建設しなかった。改革開放後の10数年間には、南寧市の都市面積の伸びが比較的遅く、インフラも著しくは改善しなかった。90年代初めから、南寧はやっと本当に発展し始めた。1992年に国務院は南寧市に対する沿海開放都市の政策の実行を許可し、南寧ハイテク産業開発区と南寧経済技術開発区を創立した。1992年から1995年まで、南寧市の社会固定資産投資は4年連続で40%以上増加した。その間、南寧市は工業化、都市化、情報化の推進に力を注ぎ、全市の経済が急速かつ健全な成長を続けた。電力、通信、交通などの都市インフラ建設は大きな発展を遂げ、都市の総合力は明らかに向上し、新興都市の活力を体現していた。その一方で、経済発展に従い、製糖工場、でんぷん工場、製紙工場などの資源型企業が全面的に着手した。当時の工業廃液を処理する技術はまだ成熟していなかったため、1991年から、内陸河川の汚染問題が日に日にひどくなった」と述べた。