開放に力を注ぎ、急速に発展

「21世紀に入ると、南寧市はめざましく発展した。1999年には琅東はまだ荒涼とした耕地であったが、今はすでに国際的な新区になった」と尹平氏は言う。2002年に中国とＡＳＥＡＮ10カ国の指導者は共に『中国・ＡＳＥＡＮ全面的経済協力に関する枠組み合意』に署名し、2010年に中国・ＡＳＥＡＮ自由貿易区を築くことを決定した。これは中国と他国の間で築かれた初の自由貿易区であり、南寧がだんだん地域的な国際都市になることを意味していた。2003年には中国とＡＳＥＡＮが毎年1回、中国・ＡＳＥＡＮ博覧会を開催し、双方の経済・文化交流を増進することが決定された。中央の支持の下で、2004年から中国・ＡＳＥＡＮ博覧会が毎年、南寧で開催され、現在まで5回の博覧会が成功裏に行われ、中国とＡＳＥＡＮの経済・貿易関係の発展の推進に大きな役割を果たした。2008年に『広西北部湾経済区発展計画』が国務院に許可されて正式に実施され、南寧市は広西北部湾経済区の核心都市に位置付けられた。国家の政策が南寧の役割を変えてきた。南寧は戦争の前線から改革開放の前線になり、大きく発展し始めた。

最新統計によると、2008年、南寧市の生産総額は1316億2100万元、1人当たりの地域生産総額は1万9142元に達し、財政収入は191億1700万元、全社会固定資産投資は693億4400万元、全部の工業生産総額は1050億6200万元、社会消費財小売総額は631億6800万元になり、都市部住民の1人当たり可処分所得は1万4446元、農民1人当たりの純収入は4001元となった。「第十次五カ年計画の期間中には、南寧市の年平均経済成長率は11.5%に達した。第十一次五カ年計画のはじめの2年間には、経済成長率は著しく向上し、2006年と2007年はそれぞれ16.4%と17.2%になり、中でも2007年の経済成長率は21世紀に入ってから最も高かった。2008年には、金融危機の影響を受けたが、依然としてわりに高い成長率を維持し、経済成長率は14.5%になった」と尹平氏は語った。

経済が急速に成長せいても、もう環境汚染の代価は払わない。2002年に南寧市は「中国緑城」という都市の「名刺」を確立したのだ。2007年には人間の居住環境に関する最高賞である「国連人間居住賞」を獲得した。ここ数年来、南寧市の工業汚染処理は製糖、製紙、でんぷん、アルコール、化学工業、建築材料などの重点業界をめぐって、工事の排出削減を強調し、汚染処理施設の建設を加速し、生産能力のレベルを全面的に向上させ、汚染を制御したという。

未来を展望、輝かしい前途

2009年8月6～7日には、「2009年泛北部湾（トンキン湾）経済協力フォーラム」が南寧市で成功裏に開催された。北部湾（広西）経済区計画建設管理委員会事務室の李延強副主任は、「今回のフォーラムでは次のことが強調された。ＡＳＥＡＮ憲章が正式に発効し、中国・ＡＳＥＡＮ自由貿易区が間もなく2010年に完成し、更に、南寧・シンガポール経済回廊の建設の推進が中国・ＡＳＥＡＮの協力及び泛北部湾の経済協力に差し迫った必要となり、戦略的なカギだとなっている」と述べた。

「北部湾経済区が西部大開発の重要な建設地域になったのに伴い、南寧市の中国・ＡＳＥＡＮの戦略的協力における橋頭堡としての役割と北部湾都市・町の発展における核心的役割は日に日に明らかになり、南寧市はもっと大きな発展のチャンスを迎えるだろう」と尹平氏は言う。南寧市の総体計画によると、南寧は広西チワン族自治区の区都、南西地域の交通中枢、中国・ＡＳＥＡＮ自由貿易区の地域的国際都市として、その発展を位置付けられている。主な発展の方向性は次の通りだ。地域的な物流基地、商業・貿易基地、製造・加工基地という「3つの基地」及び地域的な国際交通中枢センター、情報交流センター、金融センターという「3つのセンター」を建設する。開放・協力のレベルを向上させ、広西北部湾経済の開放・開発に全面的に力を注ぎ、総合的に経済を発展させる。「邕江を軸にし、西部を建設し、東部を拡大し、邕江の北部を完備させ、邕江の南部を向上させる」という都市発展の方向性によって、現代的で住みやすい都市を構築し、都市の影響力を向上させる。

南寧の60年の経済成長を振り返ると、南寧市はさまざまな困難を切り抜けて発展してきた。南寧は世界を見据え、また世界も南寧を見ており、南寧の変化には人々を驚嘆させるものがあり、人々はいっそう南寧の繁栄を期待していくことだろう。