高度成長を理性的に評価
2011年、中国において多くの省の1人当たりGDPは中所得国のレベルに達し、特に上海、北京、杭州などの都市の1人当たりGDPはすでに8万元を上回っており、2010年の世界銀行による指標から見れば、すでに豊かな国のレベルに近づいている。
新しくできたバースで貨物を積載輸送する営口港の作業員 (李俊東撮影)
商務部国際貿易経済協力研究院研究員の梅新育氏は「いくつかの省・区の1人当たりGDPが中所得国のレベルに達するのは中国経済発展の必然的な現象だが、理性的にこれを評価しなければならない。1人当たりGDPは1人当たりの平均所得や財産所有量と決して同じではないからだ」と述べる。
2011年に北京の1人当たり可処分所得は3万2900元であり、1人当たりGDPの約3分の1となったが、CPIは5.6%にも達した。住宅価格だけで見てみても、1平方メートル約1万3000元の平均値で計算すると、北京の年間可処分所得では3平方メートルの住宅価格を支払うこともできない。これは先進国に比べて非常に大きな差が開いている。
また、中国各省の1人当たりGDPは居住人口の変化によって比較的大きな影響を受ける。各省の居住人口は主に戸籍で計算する。1人当たりGDPを計算するときには、現地で常住する非戸籍人口を排除することになっているが、もし現地で働き、暮らしている非現地戸籍人口や流動人口も含めて計算すれば、1人当たりGDPはもっと少なくなる。
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