北京五輪の開幕式にはこれまでに、世界80カ国の首脳が参加することが決まっている。ホスト国となる中国は安全保障の大きな圧力と重大な責任を負っている。
この状況を受け、中国政府はこのほど、五輪に向けた意識調整を行った。習近平・国家副主席は9日、北京オリンピック・パラリンピックの動員大会に出席し、「安全な五輪大会という目標実現を確保しよう」と強調した。習副主席とともに大会に出席したのは、安全対策を主管する周永康・政治局常務委員だった。五輪大会の安全を確保することは前提条件だ。「最高の五輪大会を」から「安全な五輪大会を」へと北京オリンピック組織委員会が理性的な回帰を行ったことは、中国政府がここ数年で打ち出している「以人為本(人間をもって基本とする)」という執政理念と一致する。
中国政府は、防止を主とする安全保障構想に基づき、安全技術と政治ルートの両面から、危険性の除去に向けた積極的な取り組みを続けている。中央の関連部門はこのほど、ダライ・ラマ特使と会談し、「4つの不支持」の要求を行った。西蔵独立勢力の五輪破壊の動きを抑止するねらいだ。国際オリンピック委員会の安全保障専門家は、「北京のやり方はとても賢明で遠い見通しを持ったものだ」と指摘する。
五輪大会の安全保障に向けた厳しい措置は確かにさまざまな不便をもたらす。だが社会学者が主張するように、公民であることは義務を伴う。四川大地震時には多くの乗客が空港で救援便の出発をしんぼう強く待った。自国の都市で五輪大会が行われる以上、いくらかの不便は我慢してもいいだろう。
「人民網日本語版」2008年7月14日
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