北京五輪がカウントダウンの時期を迎えている。全世界の数十億人が注目する大会をひかえ、中国人の期待も高潮している。このような場合にエキサイトするのは当然だし、少しくらい緊張しても仕方がない。しかし五輪大会を成功させるためには、平常心を保ち、落ち着きと自信を持つことが必要だ。「新華網」が伝えた。
平常心とは何だろうか。第一に、規律と規則を尊重し、客観的な現実を尊重し、自らの能力を過大評価したり過小評価したりしないことだ。第二に、積極的かつ自発的に力を尽くしながらも、自然の流れに逆らわず、細部のミスにこだわらないこと。中国の囲碁の達人が絶妙の一手を指すときに最も大切なのは平常心だという。
平常心と実力と自信は分けられないものだ。改革開放30年の雨風にさらされながらも、中国経済は安定した急速成長をとげ、五輪大会を実施することができるほどの物質的基礎を築いた。国家体育場「鳥の巣」や国家水泳センター「水立方」などの五輪施設は、中国の五輪開催にあたってのハード面での実力を示している。また、中国政府と五輪開催機関の着実で周到な作業の様子、五輪安全保障作業の状況、五輪関連設備の整備、外国語を学ぶ市民や五輪ボランティアの情熱などは、ソフト面での実力を示している。
一方、中国が発展途上の国であり、五輪開催は初となるという事実も忘れてはいけない。五輪大会を何度も実施したことのある先進国と比べれば、中国のハード面とソフト面での実力はやはり劣っている。開催のプロセスのなかで欠点が出ても当然のことだ。五輪開催経験を持つ国でさえ、大会を完璧に開催すると承諾することはできないだろう。
例えば、北京大会の開幕式と閉幕式に対して大きな期待をするのは当然だが、歴代の全ての大会を超えた空前絶後の成果を期待するのはやりすぎだ。また、中国の選手に少しでも多くの金メダルを期待するのは当然だが、失敗にも率直に向き合わねばならず、中国人選手を負かした外国人選手にも礼儀正しく拍手を送らなければならない。中国人が平常心と落ち着きをもって五輪大会を迎え、開催することによって初めて、五輪大会というスポーツの万華鏡を多元的で色とりどりな魅力あふれるものにすることができる。(編集MA)
「人民網日本語版」2008年7月14日 |