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◇書評・「習近平 国政運営を語る」 「中国の夢」実現のために示された決意と施策、そして思想
元南京大学日語科教師・斎藤文男  ·   2020-01-06  ·  ソース:北京週報
タグ: 中国共産党;環境保護;政治
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「習近平 国政運営を語る」(第一、二巻)は、中国の指導者が、どのような哲理に基づいて国政を運営しているのか、またその将来にいかなる夢を託しているのかを読者が知り、中国をよりよく理解することが出来る恰好の著書である。第一巻は「中国の特色ある社会主義の堅持と発展」「中華民族の偉大な復興の実現という中国の夢」「新型大国関係構築を推進」など18項目79編を配列してある。第二巻では「小康社会の全面的達成の決戦に勝利する」「美しい中国の建設」「<一帯一路>国際協力を促進する」など17項目99編に分けられ、習近平主席の講話、談話、スピーチ、祝賀メッセージなどがテーマごとに時系列で収められている。

~キーワードは「二つの百周年」と「中国の夢」~

全体に共通するキーワードは「二つの百周年」、そして「中国の夢」という言葉だろう。2021年の中国共産党創立100周年までに小康社会を全面的に完成させ、2049年の中華人民共和国成立100周年までに富強民主文明調和の美しい社会主義現代化強国を築き上げるという「二つの百周年」を達成し、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」の実現について、本書では幾度となく触れられている。その基本的内容は、国家の富強、民族の興隆、人民の幸福の実現である。習近平主席は、国家の30年先に焦点をあて、「二つの百周年」までに「中国の夢」を実現するための具体的方策を本書で示している。中国の現在の経済規模は世界第二位となり、近い将来には米国を抜いて世界一となる勢いで、夢の実現も現実的になっている。

そのためには幾世代にもわたる中国人が共に努力していく必要があることを強調し、「中華民族の偉大な復興の夢は必ずかなえられるということを、私は固く信じている」と述べる。

このスピーチで習近平主席は、「中華民族の未来は、まさに<長風浪を破るに会(かなら)ず時有り>である」と、李白の「行路難三首其の一」の一節に例えている。これは李白が宦官らの讒言によって、朝廷を放免された後に作った詩であり、困難な人生行路にあってなお「長風が吹いて浪を破り進んでいく時が必ずくる」とした李白の思いがうたわれている。

「大風に乗じて、理想の仙界に向かって大海原をわたる」その時は訪れた。スピーチが行われた2012年以降、中国は習近平主席の執政のもとで積年の問題を次々と解決し、さらなる発展を遂げた。それは経済規模の面だけに留まらない。国内的には民生が向上し、国際的には文化的影響力をますます強め、世界の平和維持にも大きな貢献を果たす責任ある大国となっている。

これらは「中華民族の偉大な復興という目標に向かって引き続き勇猛邁進していかなければならない」という習近平主席の呼びかけに中国の人々が応え、「中国の夢」の実現のために一丸となって汗を流してきた成果といえよう。その奮闘は「二つの百周年」に向けて、これからも続いていくことだろう。

~生態環境保護の遂行責任と実行力を求める~

第二巻十一章「美しい中国を建設する」では、「エコ文明建設」「緑の山河は金山銀山」の言葉を使って、環境汚染対策や生態系の保護の必要性が強調されている。

一般に、環境問題に関する論述は、理想ばかり語られるものがしばしば散見される。しかし、習近平主席の著作からは、問題の所在を認識し、具体的な解決のための方策を提示して、それを実行に移すという強い決意が読み取れる。

たとえば、環境問題と密接な関わりを持つ農業について習近平主席が語った部分を見てみよう。

「わが国の耕地の開発利用は強度が高すぎて、一部の地域では地力の酷使が深刻で、土壌浸食、地下水の過剰揚水、土壌の荒廃、非特定汚染源負荷の悪化はすでに農業の持続可能な発展を制約する際立った矛盾となっている」

その対策として習近平主席は耕地の輪作休耕を提唱し、これを実施することは耕地の回復、持続可能な農業の発展、農民収入の増加などさまざまな利点があるとして、実施に則してのきめ細かな政策措置を示している。

これは数多くの事例の中の一つであり、中国では環境に関する問題については、現実を見据えた上でその原因を分析し、解決のための施策を講じるという取り組みが進められている。国を挙げた事業において、揺るぎない実行力を見せるのはリーダーの強い指導力によるものでもあり、中国がエコに関する問題で、年々実行力を示しているのはその証左ともいえるだろう。

また、習近平主席の論述には、一国ではなく人類全体の問題としてエコを捉える思いが強くあらわれている。環境汚染対策の基本理念として、「人は自然から生まれ、人と自然は一種の共生関係にあり、自然を損なうことは最終的に人類自身を傷つけることになる」と、自然破壊は人類自身が破滅することにつながるとの哲理を語り、それを防ぐための「生態環境保護が確実に実行されるかどうかのカギは指導者にある」と、指導者の遂行責任と実行力やその結果についても責任を求める厳しいものである。これらのスピーチから、環境保護や対策に対する習近平主席の本気度が伝わってくる。

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