アメリカの上院が「２０１９年香港人権・民主主義法案」なるものを可決した。事実を歪曲したこの法案は、表向き正義を装ってはいるものの、実際にはアメリカの際限のないダブルスタンダード、虚偽と醜悪さに満ちた覇権論理を再びさらけ出した。 

アメリカのダブルスタンダードは今に始まったものではなく、香港の問題でよりはっきりと露呈した。アメリカは暴力犯罪者たちを「民主の勇士」などともてはやすが、暴力と混乱の制止、秩序の回復が最大の人権であり、最大の民意であるということに対しては見てみぬふりをしている。アメリカは暴力を支持する言論に対しては全く放任しているが、真実を明らかにし、法治を守るよう呼びかける正義の声に対しては、思うがままに言論を封じ込める。むきだしのダブルスタンダードは、アメリカの一見崇高な名目の裏で人権・民主を破壊し、中国の発展を抑えつけるという悪辣なたくらみを露呈している。 

暴力は法治社会を毒するものであり、混乱は社会の安定的な発展にとって悪夢であることは全世界の共通認識だ。アメリカの一部の政治家はこのことを知っていながら、暴力への対応について国内と国外で異なる基準を設けている。アメリカのオレゴン州ポートランドでデモがヒートアップした際、警察当局はバリケードを設置し、道路や橋を封鎖して、デモ参加者を続々逮捕し、さらにアメリカのリーダーは衝突に加わった集団を「テロ組織」に指定する検討が進んでいるとすら示した。香港の暴徒が血迷ったかのように破壊行為や放火を行った際、アメリカのペロシ下院議長は「香港で発生したデモは『美しい光景』だ」と公然と言い放った。自国で起こった暴力行為は厳しく取り締まり、他国の領土内での暴力行為は「光景」であるとする。自国での法の執行は法治の維持であり、他国の領土内での法の執行は警察による暴力であるとする。これほどでたらめで無恥なダブルスタンダードが他にあるだろうか？ 

このようなアメリカのダブルスタンダードの背景には、深く根ざした覇権論理がある。アメリカの利益の最大化を実現するため、アメリカの一部の政治家は全力を挙げて世界各地で騒乱をあおり、「カラー革命」を引き起こし、どこまでも自国を正義とすることに努め、他国を貶めようとする。盗聴システムである「プリズム」を世界で思いのままに使いながら、逆に「アメリカに対してインターネット攻撃を仕掛けている」と他国を誹謗する。他国への内政干渉をほしいままにしながら、むしろ「アメリカの選挙に干渉しようとしている」と他国を中傷する。保護貿易主義を大いに進めながら、反対に「自由貿易を破壊している」と他国をそしる。つまるところ、彼らにとっては「強権すなわち真理」であり、まるで世界は弱肉強食の法則がまかり通った古い時代のままであるかのようだ。 

アメリカの一部の政治家は根本的に香港地区の人権と民主、香港市民の利益と幸福に関心がなく、彼らの目的はただひとつ、香港を混乱させることであり、香港を台無しにすることで中国の発展プロセス阻害に力を惜しまない。中国の人々は邪道が正道に勝つことはないと一貫して確信しており、アメリカの覇権論理は機能を失う運命にある。暴力と混乱の制止、秩序の回復は現在香港にとって最も切迫した課題であり、香港社会の最も広範な民意・最大の人権だ。中国政府の国家主権、安全、発展の利益を守る決意は揺るぎなく、「一国二制度」の方針を貫徹する決意は揺るぎなく、いかなる外部勢力が香港のことへ干渉することにも反対する決意は揺るぎない。２１世紀の今日において、醜悪なダブルスタンダードや覇権思考は人心を得られず、「人権」や「民主」という言葉を名目に使って中国に圧力を加えるたくらみは頓挫する運命にある。 

「北京週報日本語版」2019年11月22日