新時代の新たな現実
中国の新時代は多くの特徴があり、その中の一つが中国と世界の関係も新時代に入ったということだ。新時代の中国と世界の関係で、中国の外交政策は質的変化が生じており、この質的変化は中国が極めて弱く貧しく抑圧された発展途上国から、文明的で富み栄え、自発的・建設的な責任を負うグローバルな大国へと変わることであり、中国がグローバル体制の外側から中心へと進み、グローバル体制の参加者・受益者からグローバル・ガバナンスの改革者・推進者へと役割が変わることだ。
新時代の中国と世界の関係についての指導思想は習近平外交思想であり、この思想は中華文明の優れた伝統と中華人民共和国の対外関係の移り変わりの成果を受け継ぎ、今日における世界の発展・変化の大勢とチャンス・試練の分布を洞察する基礎の上で徐々に形成されたもので、人類運命共同体の主張を基本命題とし、新型の国際関係、新型の経済のグローバル化、新型のパートナーシップ、「共同協議・共同構築・共同享受」の原則、「相互信頼・互恵・平等・協力」の新型の安全保障観といった複数の理念を支えとし、「一帯一路」、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、新興5カ国(BRICS)協力など新型の国際的な公共財をもたらしており、その核心となる要旨は国連を中心とする国際体制を維持し、これまでの積み重ねを放棄する方法を用いず改革によりグローバル・ガバナンスを整備し、より公正で合理的かつすばらしい国際秩序を築くことだ。
白書が発表された同日に、王毅中国国務委員兼外交部長は第74回国連総会の一般討論で演説を行い、そのテーマは「今日の中国、世界の中国」だった。王毅外交部長は演説で、中華人民共和国の70年は中国が絶え間なく世界へ融け込み、貢献を果たした70年であると語り、また新時代に入り、中国の人々は過去のいかなる時よりも中華民族の偉大な復興を実現する自信と能力を持ち、過去のいかなる時よりも人類のためにより大きな貢献を果たす条件を備えているとした。
中国はより多くの平和的発展への発言とグローバル・ガバナンスに参加し、導く行動によって、中国は権力の移行・覇権の争奪・地理的拡張の視点から将来の世界における自国の役割を定めているのではないことを世界に証明していく。
(安剛 本誌特約ライター、盤古智庫高級研究員)
「北京週報日本語版」2019年10月17日