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世界銀行新総裁は途上国にとって不利に?
  ·   2019-04-08  ·  ソース:人民網
タグ: 世界銀行;途上国;政治
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世界銀行理事会は現地時間5日、次期総裁にデービッド・マルパス米財務次官(63)を選出した。今年1月7日に辞任を発表した韓国系米国人ジム・ヨン・キム総裁の後を継ぎ、4月9日に就任することになる(文・李厚何)。

ブレトン・ウッズ体制発足以来、世界銀行総裁は常に米国人が務め、国際通貨基金(IMF)専務理事は常に欧州人が務めてきた。これは不文律となっている。

トランプ政権下の米国が、多国間体制とグローバル化に対して強い不満を抱きながらもなお、実際は重要な国際組織における支配権と発言力、特にルールの制定権と解釈権の維持に力を尽くしていることは事実が物語っている。そのためトランプ大統領は世銀総裁人事を軽視することなく、自らの利益に最も合致する候補者を入念に選んだ。

マルパス氏はレーガン、ブッシュ(父)両共和党政権で役職に就き、ワシントンとウォール街を頻繁に往き来する著名な政治的・経済的保守派だ。2016年の大統領選ではトランプ陣営に加わり、この「異色の候補者」の顧問を務めた。マルパス氏の世銀総裁就任が、キム氏よりも忠実に米国、特に「トランプの米国」の意思を反映することになるのは明らかだ。

そればかりか、「トランプ忠誠マン」と揶揄されるこの米連邦政府要人は長年にわたり世銀・IMF体制を熱心に糾弾し、これを「巨大過ぎて、浪費が過ぎ、高くつき過ぎる」と非難し、世銀・IMFは途上国に「不適切」で「採算が取れない」巨額の融資を行ってきたと不満を抱いていた。

過去のマルパス氏の世銀に対する評価は非常にネガティブなものである上、トランプ大統領と同様、多国間体制と貿易のグローバル化、途上国への金融支援への疑念、不満、反対を再三漏らしてきた。しかしこれら全ては世銀・IMF体制の基本原則であり存在基盤に他ならない。そのため「多国間主義、貿易のグローバル化と自由化に反対する人物を世銀総裁に就任させることほどおかしな人事があるだろうか?」との声も挙がっている。

こうした「違和感」にすでに気づいたのか、総裁就任が確実になった後、マルパス氏の発言内容にはさりげない変化がみられている。世銀及びその趣旨と機能について肯定的な評価を行っているだけでなく、就任後は「貧困の減少と軽減のために努力する」と表明したうえ、「中国と緊密に協力したい」と強調した。米国は事実上「拒否権」を手にしているものの、世銀を米国の都合だけで左右することはできず、マルパス氏、あるいはトランプ氏自身も含めて、この点を直視しないわけにはいかないだろう。

だが今回の世銀総裁交代によって、世界が期待して久しい世銀・IMF体制改革や新興国及び第三世界諸国の発言力強化の訴えが、一時的にでも頓挫する恐れは否めない。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年4月8日

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