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重要な意義のあるSDR建て債券発行
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· 2016-08-26 |
タグ: SDR建て債券;世界銀行;経済 | 印刷 |
SDR建て債券が30数年ぶりに発行される。
このほど、世界銀行(国際復興開発銀行)に対し、中国インターバンク債券市場における特別引出権(SDR)建て債券の発行が許可された。総額20億SDRを発行し、人民元が決済通貨になる。第1期SDR建て債券はまもなく発行される。
SDR建て債券の発行は重要なシンボル的意義を持ち、国際金融枠組み完備の重要な一歩であり、SDR利用拡大の一層の促進に役立ち、国際通貨システムの安定性と強靭性を強化することになる。国内から見ると、SDR建て債券の発行は中国債券市場の取引を多様化し、中国の資本市場の開放と発展にプラスであり、人民元の国際化プロセスを推進することになる。
SDRは1969年に創設された当初、「トリフィンのジレンマ」の解決、ブレトンウッズ体制の不足補完、国際通貨システム改革の構想提供という役割を果たし、世界の準備資産に占める割合は8%を超えた。しかし、SDRが創設されてわずか数年後、すなわち1970年代初頭に、ブレトンウッズ体制が崩壊し、金・ドル本位制も崩れた。SDRはポスト・ブレトンウッズ体制の国際通貨構成要素として残された。SDRはスーパー・ソブリン(超国家)準備通貨の特徴と潜在力があったにもかかわらず、残念なことに、割当制と使用範囲の制限があったために、その役割はその後の数10年間十分に発揮されてこなかった。
2008年に発生し、拡大した世界金融危機で、現行の国際通貨システムの内在的欠陥とシステミック・リスクが表面化した。それによって、どのような国際通貨システムが世界金融の安定性を維持し、世界経済の発展を促進することができるかを各方面が考えるようになった。周小川・中国人民銀行行長(総裁)は2009年、「国際通貨システム改革に関する考察」と題する論文を発表し、「スーパー・ソブリン準備通貨」構想を提起し、全世界で大きな反響を呼んだ。この論文で周氏は、超国家的で、通貨の価値の長期安定を保てる国際準備通貨を作り出し、それによって準備通貨としての主権信用通貨の内在的欠陥を回避することが国際通貨システム改革の理想的な目標だと指摘した。
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