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新たな「米日豪印」協力を制約する3つの要因
韓立群  ·   2017-12-05
タグ: 米国;アジア太平洋;政治
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米国の戦略決定 

米国の戦略決定は米日豪印に影響するだけでなく、米国のアジア戦略全体にも影響するだろう。「環太平洋経済連携協定」(TPP)はオバマ前大統領時代の米国アジア太平洋戦略の筆頭だったが、米国の内政が原因で破綻した。トランプ大統領は選挙期間中TPPを非難し続け、当選後は少しもためらうことなく離脱を決定した。新たな「インド太平洋戦略」は安全保障を主とした地域戦略で、明らかに経済的支柱が不足しており、漠然とした経済貿易スローガンがあるに過ぎない。1970年代以降、アジア太平洋地域には堅固な産業チェーンや生産ネットワーク基盤がすでに出来上がっており、APEC協力を支え、アジア太平洋自由貿易圏の長期的奮闘目標を支え、東アジア地域の経済金融協力を支えてきた。しかしインド太平洋は明らかにこうした条件を備えていない。 

分かりやすく言えば、アジア太平洋は経済圏であり、インド洋は現在まだこの圏内に入っていない「部外者」だ。インド洋地域に広範な発展潜在力があるとはいえ、今はまだ単なる潜在力でしかない。現在、アジア太平洋地域経済協力には方向性とモデルに関する論争がある。しかし、筆者の見るところ、アジア太平洋をインド太平洋に拡大するというのは、字面的にはいいかもしれないが、実際の作業は極めて苦難に満ちたものになるだろう。従って、アンバランスなインド太平洋戦略を打ち出したことで、米国はアジア太平洋地域経済協力に対する主導権とリーダーの地位を失うことになる可能性が高い。 

地域安全保障構造の進展 

インド太平洋戦略は安全保障を主とした戦略であるが、現在アジア太平洋、或いはインド太平洋地域安全保障の重心は明らかにインド洋にはなく、北東アジアと東南アジアにある。朝鮮核問題と南中国海問題だ。米日豪印は明らかにこの2つの問題解決のうちどちらに対しても無力であり、むしろ解決を遠ざけ、面倒ごとを増やしかねない。これらの地域問題の解決には、依然として中米間で直接意思疎通を行う必要がある。 

米日豪印協力は相対的に視野の狭い戦略計画であり、世界で一強状態にある米国がこのような戦略を打ち出すことは、その零落の兆候であるのかもしれない。インドが成長傾向にあること、アジア太平洋地域の将来的な発展趨勢を考慮に入れると、インド太平洋戦略を打ち出したことは理にかなっているように見える。しかし生活上の経験は我々にこう告げている。時として、準備は余り早くからしてはいけない。それよりも本番でしっかりやるほうがよい。 

(韓立群 中国現代国際関係研究院世界政治研究所中国対外関係研究室主任) 

「北京週報日本語版」2017年12月5日 

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