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「中等国」こそが日本の「歴史的常態」
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馮昭奎 · 2017-08-25 · ソース: |
タグ: 安倍政権;日本;政治 | 印刷 |
先ごろ、米国『ニューズウィーク』日本版の最新刊に「日本を待ち受ける2つの未来」と題する記事が掲載された。そこには次の3つの考えさせられる観点が示されていた。第1に、中国こそが地域の超大国であって、日本はその周辺にある中等国であるというのが1000年来の東アジアの「常態」だった。第2に、日本が優位に立ったのは中国のアヘン戦争以降約100年余りの間だけで、長い歴史から見てほんの一時のことだった。第3に、最近の30年間を通じて日本の優位性はなくなり、「常態」が戻りつつある。この記事が発表されると、たちまち日本メディアや世論から注目された。日本は意識を正すべきなのだろうか?
筆者は、この3つの観点は非常に「事実に基づき真実を求める」ものであると考える。実際、中国にも類似の観点を持ち、国土面積が世界62位、人口が世界11位の日本は「実際のところ中小国の『運命』しか持っていない」と考える学者もいる。ここでいう「運命」とは、つまり「歴史的常態」ということだ。
「日本が優位に立ったのは中国のアヘン戦争以降約100年余りの間だけで、それはほんの一時にすぎない」と書かれているが、日本の優位に立つ状態は明らかに「常態」ではない。周知の通り、1860年代、イギリスが第1次産業革命を成し遂げた後、さらに第2次産業革命に入り、独、仏、米なども次々に産業革命と技術革新の波に巻き込まれていった。こうしたことを背景に、日本は1868年から明治維新を開始し、「富国強兵」と「殖産興業」政策を推し進め、西側列強の植民地競争に加わった。
産業革命と技術革新という時代の潮流に追いつく上で、日本は「遅れて来た者」であると同時に、「後から来て先に立った者」でもあった。日本は「幸運にも」、産業革命と技術革新の機会を逸し、「大きいが弱い」隣国、中国を目にすることとなった。中国は「大きい」がゆえに、国土が狭く資源の乏しい日本の垂涎の的となり、中国は「弱い」がゆえに、産業国に後れを取った日本にも中国を「いじめてやろう」という野心を抱かせた。
総じて言うと、第1に「産業革命と技術革新」が起きたこと、第2に隣国中国が「大きいが、弱く、立ち遅れていた」こと(もちろん他のアジア諸国の弱小さも含まれる)が、日本が強大になるために必ずつかむべき「2つの機会」となった。機会をつかみ取る力が激しすぎたため、日本は明治維新以降100年余りの間に、勝利の頂から失敗の谷底へという激しい浮き沈みを経験した国の「典型」となった。
第2次世界大戦後、日本は世界第2の経済体となり、一時は世界で最も競争力のある国とされた。これは戦後1、2世代にわたって日本人が発奮し努力した成果であり、日本が戦後の「新たな2つの機会」をつかんだ結果でもあった。第1に、日本は戦後の技術革新の発生地となった米国を後ろ盾として、戦後の技術革新という機会をしっかりとつかんだ。第2に、戦後「ベビーブーム」による人口構造の若さという機会もつかんだのである。
現在の日本はすでに「超高齢化社会」と「人口減少社会」に入り、「ベビーブーム世代」は「シルバー世代」となり、多くの日本の学者が著書で国の前途と運命に対する憂慮を示している。2016年、日本の総人口は33万人減少した。現在では農業、漁業、小売業、サービス業から製造業に至る生産現場で、至る所で人手不足が問題になっている。2020年代には計620万人減少し、その後も毎年100万人ずつ減少すると予想されている。2024年には国民の3分の1が65歳以上となり、2033年には住宅の3分の1が空き家になる見通しだ。また、ケアを受けられない高齢者が増え続け、将来日本では毎週4000人が「孤独死」する可能性がある。
もし日本が有効な改革措置を取らなければ、数十年後には日本各地が一面の廃墟になるかもしれない。第2次世界大戦後の「戦争廃墟」から遠くない将来の「平和廃墟」へ。これは日本の有識者が現状に基づいて出した「事実に基づき真実を求める」予測であり、警告である。
しかし、現在日本の為政者は完全に「事実に基づき真実を求める」精神から外れている。現政権を握る安倍首相は驚くことに「強大な日本」という夢を持ち、日本が「戦争を行える」ようにするために憲法改正案を通そうとし、そのために「中国脅威論」を極力吹聴するなど、することなすことが明らかに日本の基本国情からゆゆしく乖離し、平和的発展という時代の要求からも外れている。特に、日本の「大国の夢」を本当の意味で制約しているのは紛れもなく日本自身の条件と国情にあることに気づいていない。言い換えれば、日本の真の「敵」はその間違った内外政策であるのに、恨みや不満を中国にぶつけているのだ。まったくもって己を正しく知る力を欠いている。
(馮昭奎:中国中日関係史学会顧問)
「北京週報日本語版」2017年8月25日
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