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韓国の政治はどこに向かうのか
時永明  ·   2016-12-22  ·  ソース:
タグ: 韓国;THAAD;政治
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今回の政治的ごたごたが韓国の与党であるセヌリ党に甚大な打撃を与えたことは疑いようがない。セヌリ党には強い派閥文化があり、こうした派閥文化は政権運営に偏りがあることの主な根源である。保守勢力が政権を取った10年は、朝鮮半島情勢悪化の10年でもあった。これは、政権運営理念が偏り、政策が外部勢力に操られたことと密切な関係がある。弾劾案が可決された後、セヌリ党内部の不一致も隠せなくなった。128名のセヌリ党議員のうち、本当のパク派議員は57人しかいない。したがって、同党は組織改編か分裂かという局面に直面している。以前の状態を続けるのであれば、次の総選挙で不利な立場に立たされるだろう。こうした変化の中で、いかにして政治道徳を再確立するのかも保守政党が直面する重大な課題となっている。 

現在、韓国政治界にはすでに新たな構造が現れている。このほど、韓国の世論調査機関Realmeterが発表したデータによると、最大野党である共に民主党のムン・ジェイン(文在寅)前代表は次期大統領選挙候補と目される人物のうち支持率トップで、パン・ギムン(潘基文)国連事務総長が2位、イ・ジェミョン(李在明)城南市長が3位に入り、弾劾を求めるうねりの中で頭角を現した政界のダークホースとなっている。この3人にはそれぞれ特徴がある。ムン・ジェイン氏は韓国の中下層の民衆の願いを代表し、パン・ギムン氏はより国際的な視野を持ち、イ・ジェミョン氏は現代的なガバナンスを重視している。 

こうした状況下で、人々は突然、財団や大企業を代言していた保守政党がどうやら社会基層や民衆の支持を失っていることに気付いた。しかし、韓国政治にはまだ多くの不確実性が存在する。この政治事件が過ぎ去った後、韓国政府が今後大財団や大企業の悪影響を脱することはできるのか。社会上層階級は頑固で保守的な政権運営をする政府から彼らが本当に利益を受けられはしないことに気付けるのか。社会階層がますます細分化する今日にあって、企業家は新しい形で自らの社会的責任を果たさなければならないことに気が付くことができるのだろうか。 

韓国のみならず、世界的に見て、新しい政治の時代が到来しようとしている。ポピュリズムの台頭はすでに一部の国の政治構造を変えた。韓国政治はいったいどこに向かうのか。国際情勢の変化を踏まえてさらに見守る必要がある。 

(作者は中国国際問題研究院アジア太平洋地域問題副研究員)  

「北京週報日本語版」2016年12月22日  

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