一方、中国にとっては、実際の行動によって、自身が提案している平和および協力の国際関係という新理念は空論ではなく、厳粛な誓約だということを日本に向けて証明しなければならない。中国の新理念は単に口先だけのもので、その通りにするつもりはないと思っている国もある。中国が主権を表明すれば、実力を見せつけていると見なされ、中国が自衛のために軍備を増強すれば、平和に対する脅威だと見なされる。日本政府による戦後70周年を総括する談話の中でさえ、歴史を振り返ることで中国に対して当てこすりをしていた。談話では、日本は満州事変や国連脱退など一連の行動により、次第に、大きな代償を払って築いた新しい国際秩序への挑戦者となっていき、進むべき進路を誤り、戦争への道を進み、そして敗戦した。だから、今日、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない、いかなる紛争も法の支配を尊重しなければならない、と述べられた。これは、中国が今日の国際秩序への挑戦者であり、中国の自衛のための軍備増強政策は武力で現状を変更しようとするものだと暗に指していることは明らかだ。
よって、中国は自身の行動で、中国の平和の誓いは見せ物や空論ではなく、国際社会に対する責任なのだと世界に示さなければならない。中国政府はすでに、以下のように丁寧に説明している。つまり、領土紛争の問題における中国の対応は覇権の争奪とは無関係で、地域の安全と安定を壊そうとするものでもない。ただ自己に属するものをしっかりと守り、二度と失わないようにしたいだけである。中国は近代以降、何度も侵略によって踏みにじられ、国土を失った。現在、中国は自己の主権と完全な領土を守る能力を持っている。これは、どの時代、どの国においても、疑う余地のない当たり前のことだ。このようなことでさえ脅威と感じるなら、それは他の話題に託して自分の真意を述べているか、さもなくば少々神経質になっている。中国の発展が世界にもたらすのは脅威などではなく、より多くの平和や希望、チャンスである。
中日の新型大国関係の構築は歴史の創造であり、その世界平和に対する意義と重要性は過小評価できないものだ。目下、国際情勢は移り変わりが激しく、世界の大勢は大規模に変動している。日本は、既存秩序を守る者として自己を評価し、中国とは対立する位置に立つのか、それとも、世界の発展の動向をしっかりと見極め、乱雲に視界を遮らせないようにするのか。これは、日本の国家利益と民族の運命に関わる大事である。