では、このような新型大国関係は、模索と構築促進の必要があるだろうか? 答えはもちろん必要、である。なぜなら、それは東アジアの平和にとって必要であり、世界平和にとっても必要であるからだ。国際社会に責任を負う大国としてまず担うべき責任なのである。
中日の新型大国関係の構築は、源から取り組まなければならない。この源とは、戦略的相互信頼の構築だ。相互信頼の欠如は、必然的に相互疑念を引き起こし、不安感を生み出す。さらに不安感は、軍事演習や軍備のグレードアップなどといった防備強化の各種実質的な措置につながる。しかし、これらの措置は逆に、疑念や不安感をさらに加速させる。こうして起こった悪循環は、両国関係の改善を難しくする。
相互信頼の構築には双方共同の努力が必要だ。「片方の手だけで拍手はできない」(一人の力だけでは事は成就しない)のだから、相手に信頼されるような実際の行動を起こさなければならない。日本にとって、中国の信頼を得るために必要なのは、中国の原則的立場を真に重視することだ。例えば、中国が何度も指摘している歴史認識の問題では、日本の為政者は明らかな態度を表す必要がある。言葉を濁したり、もっともらしいことを言ったりするべきではないし、独断専行して、逆の方法で事を行うことはさらにできない。なぜなら、このような敏感な問題はこれまで一貫して当事国の本当の立場と態度をはかる試金石やバロメーターであり、日本がこの種の問題で不適切な方法を取れば、中国に伝わるのは、日本には和解のための誠意が全くなく、信頼に値しないなどといったマイナスの情報だけだからである。そして、このような最低限の信頼の欠如が両国関係にもたらす影響は、全体的かつ致命的なものとなる。