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駐米中国大使「南中国海の争いが中米間の問題になるべきではない」
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· 2016-07-18 |
タグ: 南中国海;中米関係;政治 | 印刷 |
中国の崔天凱駐米大使はこのほど人民日報に寄稿し「中米間に領土争いはない。南中国海をめぐる争いが中米間の問題となるべきではないし、ましてや中米の『戦略競争』と見なされるべきではない」と指摘した。人民日報が伝えた。
崔大使は「南中国海情勢はかなり長期間にわたりコントロール可能で、中国と地域の他の国々は努力して溝を管理・コントロールしてきたうえ、全般的に友好協力関係を発展させ続けてきた。だが約5、6年前から南中国海情勢は緊張し始めた。これは米国の打ち出した『アジアへの転換』政策とほぼ同時期だ」とした。
また「フィリピンが南中国海をめぐる争いの仲裁を一方的に申し立てたことは、仲裁には国家間の同意の基礎が必要という通常の実践に背離し、法律を政治的道具にする意図は明々白々だ。仲裁裁判は、仲裁手続きの国際的な乱用への扉も開いた。交渉と協議を通じた争いの解決という各国の努力を損ない、弱め、最終的には国際法の権威と有効性を損なう。中国が仲裁裁判を断固として拒絶するのは自らの利益を守るためであり、国際正義を堅持し、国際法の基本原則を守る責任の履行でもある。一方米国は『航行の自由』を口実に駆逐艦、空母、戦略爆撃機、偵察機を南中国海に派遣して武力を誇示している。これは典型的な『強権すなわち正しい道理』の表れだ」と指摘。
「南中国海航路は中国と多くの域内国の経済的な生命線であり、あらゆる努力を通じてこの海域の商業流通が妨げられないようにし、地域情勢を撹乱するいかなる企てにも断固として反対すべきだ。米側が大量の軍艦、軍用機、先進兵器を南中国海に集結させていることが、各国の商用、民生用船舶の航行の自由を真に脅かすことを人々は懸念している。このような大規模な軍備の集中は、世界のどこにおいても緊張の根本的原因だ」とした。
崔大使はさらに「自らの権益と国際正義を守る中国の意志は断固として揺るがず、いかなる圧力にも屈することはないし、核心的利益を取引することもない。現在の情勢下、争いの直接の当事国による協議が依然唯一の実行可能かつ有効な道であり、中国はすでに地続きの隣国14カ国中12カ国と陸上国境を確定し、ベトナムとも北部湾(トンキン湾)の海洋境界を画定した。南中国海をめぐる争いの解決に向けた中国の外交努力が仲裁の紙くず1枚や空母数隻によって妨げられることもない」と述べた。
崔大使は最後に「冷戦思考は現代世界の問題を解決できない。中国は米国と非衝突・非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンの新型の大国関係の構築に尽力している。現在の世界において、米国は協力パートナーを必要としているのか、それとも想像の『敵』を必要としているのか?米国が正しい選択をすることを希望する」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月18日
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