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南中国海をめぐる仲裁案は国際法治にマイナス影響
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· 2016-06-30 |
タグ: 南中国海;仲裁;政治 | 印刷 |
武漢大学中国国境・海洋研究院とオランダのライデン大学グロチウス国際法研究センターが26日にオランダのハーグで、南中国海をめぐる仲裁案と国際法治について話し合うシンポジウムを開催した。アジア、欧州、米国、アフリカの各国・地域から国際的に活躍する法学者30人あまりが参加し、南中国海の仲裁案の提起、仲裁裁判所の設置とプロセス、仲裁裁判所の案件に対する管轄権と受け入れ可能な裁決、仲裁に関与せず仲裁を受け入れないとする中国の立場、南中国海において中国がもつ歴史的な権利、南中国海の仲裁案が国際法治に及ぼす影響などについて意見を交換した。人民日報が伝えた。
同研究院の胡徳坤院長は取材に答える中で、「シンポに参加した国内外の専門家がともに関心を寄せる焦点の問題は、仲裁裁判所の『国連海洋法条約』に対する解釈が全面的かどうか、また裁判所の解釈以外に、関連の問題についてどのような視座の解釈がありうるだろうか、ということだ。こうした問題について、参加した専門家の間では、裁判所の『条約』に対する解釈は、国際法学界の一般的な見方を代表するものではないということで、基本的に一致している」と述べた。
今回のシンポに招待されたのは、国際海洋法の分野で定評のある専門家ばかりだ。中国は武漢大学、中国社会科学院、廈門(アモイ)大学などの専門家が参加。海外の専門家には、国連国際法委員会の元代表で国際刑事裁判所判事を務めるインド外務省のラオ元首席法律顧問、国際刑事裁判所のアブデル・コロマ前判事、ユトレヒト大学法学部のトム・ズワルト教授らがいる。
武漢大学国際法研究所の易顕河首席専門家は、「参加した専門家は、仲裁案は国際法治のさまざまなルールに違反しているとみる。たとえば、仲裁裁判所が管轄権の裁決を下す際に中国・フィリピン間の紛争を見極めたり証明したりするプロセスを経ていないこと、裁判所の構成が主要な文明体系や法律体系を代表しているとはいえないこと、裁判費用はすべてフィリピンが拠出していること、裁判の進行ペースが速すぎること、管轄権の判決が中国の観点を十分に踏まえているとはいえないこと、中国の観点の一部に対する表面的な配慮はあるが十分な考慮がなされていないこと、必要な法律の分析を終えていないことなどがある。仲裁員の中には説明なしでそれまでの立場を変える人もいて、『法律の一貫性』という国際法治の原則に違反している。こうしたことはすべて法学界を懸念させるに十分なもので、この案件は国際法治にマイナス影響を与えるといえる」と述べた。
胡院長は、「シンポ参加者は次に挙げる主要な点について意見の一致を達した。まず、南中国海をめぐる仲裁案の仲裁プロセスは一方的であり、仲裁裁判所は中国・フィリピン間の領土紛争と海洋境界画定問題を仲裁する権限はないという点。次に、一方的に提起された仲裁は合法的ではないという点。フィリピンは、中国が2006年に『国連海洋法条約』第298条の規定に基づき発表した除外宣言を、悪意をもって避け、中国・フィリピン双方が交渉と協議による紛争解決の共通認識を否定し、一方的に裁判を提起した。さらに、歴史的な流れをみれば、南中国海の島々は昔から中国の領土だったという点だ。フィリピンが裁判を提起したのは歴史を尊重しないことであり、国際法に違反している」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月29日
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