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中日関係は改善傾向にあるが政治的相互信頼は依然脆弱
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· 2016-06-02 |
タグ: 中日関係;日本青書;政治 | 印刷 |
2016年を展望すると、日本の内政と外交は参院選の影響を直接的に受ける。安倍首相は東中国海と南中国海の問題で対中強硬姿勢を継続する可能性が高い。同時に、対中経済協力の回復と強化を求める圧力もさらに高まる。中日の実務協力には広大な余地がある。協力が順調に進むか否かは、両国関係全体の環境次第だ。両国が溝を有効に管理・コントロールし、「地雷原」を避け、動揺を減らし、関係を落ち着かせて実務協力を深化できるか否かは、中日関係の今後の長期的発展にとって極めて重要だ。
■中国周辺に対する新安保法の潜在的影響は軽視できない
新安保法の可決は中国の周辺情勢に大きな影響を与える。
朝鮮半島方面では、日本にとって「朝鮮半島有事」への対処は一貫して安保政策の重要な想定対象だ。現在、朝鮮半島情勢は不確定性をはらみ、動揺を引き起こす可能性もある。朝鮮半島で危機または戦争が発生した場合、日本は新安保法に基づき朝鮮半島および周辺地域で米軍または第三国に後方支援を提供することができる。さらには米国、韓国など第三国とともに集団的自衛権を行使することさえできる。台湾方面は米日同盟にとって重点的注視の対象だ。日本の国内法の観点から見ると、新安保法は台湾海峡情勢への軍事的干渉に解釈の操作余地を残した。日本側は米軍にいわゆる「後方支援」を提供できるだけでなく、拡大解釈によって台湾地区および台湾海峡情勢に一定の介入すらできる。
また、新安保法は国連平和維持活動および国連の枠組外の「国際連携平和安全」活動への自衛隊の参加制限も大幅に緩和した。こうした活動は中国周辺の潜在的紛争問題に直接的を絞ったものではないが、中国に対して重要な影響を生じうる。米日同盟が「グローバル同盟」に格上げされた後、自衛隊は戦略水路、資源生産国、地政学上重要な国を含む世界の紛争問題地域にさらに多く出現する可能性がある。しかも法的余地の拡大により、海外派遣部隊の装備水準や行動能力は大幅に高まる可能性がある。こうした中、海外における中国の政治的、経済的利益区域、軍事力活動区域は、いずれも日本側部隊の活動区域とさらに重複または交錯する恐れがある。重複はどのような影響をもたらし、交錯はどう処理するのか?これは中日関係にとって新たな問題となるだろう。
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