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G20、イノベーションによる成長の青写真を描く
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· 2016-05-20 |
タグ: イノベーション;G20;政治 | 印刷 |
このほど国連は『2016年世界経済の情勢と展望』改訂版で、世界経済の成長率予測を今年は2.4%、来年は2.8%に引き下げた。国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長率予測を今年は3.2%、来年は3.5%に引き下げた。世界経済の成長が原動力と自信を欠く中、英国紙フィナンシャル・タイムズは社説で、成長の低迷を支える措置を講じるべき時がすでに間近に迫っていることをG20は認識するべきだと指摘した。(人民日報「鐘声」国際論評)
G20の任務は世界経済の成長促進であり、イノベーションは世界経済の持続的成長の原動力だ。深い調整の中にある世界経済において、イノベーションによる新たな需要のてこ入れ、新たな原動力の形成は重要性を増している。G20杭州サミットは「成長方式のイノベーション」を初めて中心議題の1つとし、改革・イノベーションを重視し、新たなチャンスを切り開き、捉え、世界経済の中・長期的成長力を高めることを目指す。先日開催されたG20の「成長方式のイノベーション」専門会議で、各者はG20の行動革新計画、新産業革命行動計画、デジタルエコノミーの発展・協力提案などの成果文書について踏み込んで議論し、世界経済の革新的成長原動力の掘り起こしに尽力するとの共通の目標を改めて確認した。
世界で最も発展の活力とイノベーションの潜在力を備えるG20は経済・社会発展に対する科学、技術、革新の重要な役割を十分に認識し、国家イノベーション戦略を次々に定めている。中国はイノベーション、協調、エコ、開放、共有という5大発展理念を打ち出し、イノベーションを国家発展の全局における中心的位置に据え、イノベーション駆動型発展戦略の実施を加速している。米国は『米国イノベーション戦略』を発表し、新時代の革新戦略を通じてイノベーションの動向と発展のすう勢を把握し、先進的製造業の発展に力を入れ、重大な技術的ブレークスルーを促進し、持続的な経済成長と繁栄を実現しようとしている。日本は『我が国の中長期を展望した科学技術イノベーション政策』を発表し、新型のイノベーション体制の構築、超サイバー社会の発展、科学技術イノベーションと研究機関の科学技術イノベーション機能を強化する新たな戦略を打ち出した。ドイツの『インダストリー4.0発展戦略』、韓国の『製造業イノベーション3.0戦略』、ロシアの『イノベーション2020』などはいずれもイノベーションによる成長を推進する新たな理念、道筋を示している。
経済成長に対する科学技術の進歩の貢献度をいかに強化し、経済発展を真に活性化するかが、複雑で壮大な事業であることにも目を向けるべきだ。世界に目を向けると、「インターネット+」は各国にとって新たな発展を求めるうえで重要な道だが、IT産業が最も発展している米国でも国内総生産(GDP)へのIT産業の貢献度は2015年で0.2ポイントに過ぎず、従来型産業との格差は明らかだ。再生可能エネルギーと新エネルギーは急速に発展しているが、産業化にはまだ時間を要する。3Dプリンター、人工知能などの新技術も、人々の期待する爆発的な経済成長をまだもたらしてはいない。科学技術の進歩と産業革命のもたらす新たな産業と製品の応用を加速し、新たな成長の原動力をしっかりと形成するには、世界的範囲のさらに踏み込んだ検討と協力が急務だ。
「中国はすでにイノベーション、新産業革命、デジタルエコノミーから着手し、全方位的なイノベーション成長行動計画を打ち出した。われわれはこれに完全に賛同するとともに、イノベーションを切り口とする世界経済の中・長期的成長牽引を支持する」。これはG20「成長方式のイノベーション」会議での各代表の共通認識だ。G20杭州サミットを契機に、各国が科学技術、発展理念、体制・制度、ビジネスモデルなどの分野を含む全方位的なイノベーション協力を一層強化し、世界経済の共同繁栄実現を推進することを期待する。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月20日
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