3月22日朝、大きな爆発音が連続して鳴り響き、欧州連合(EU)の本拠地であるベルギーの首都・ブリュッセルの静けさが破られた。ブリュッセル国際空港と市内中心部の地下鉄駅で連続して3回の爆発が起き、これまでに少なくとも34人が死亡、200人あまりが負傷している。これが、昨年フランス・パリで発生した同時多発テロ事件に続く、欧州で発生した重大なテロ事件であることは間違いない。人民日報が伝えた。
ベルギーは同事件を受け、直ちにテロ警戒レベルを最高水準の4に引き上げ、市内に大量の警察と軍隊を配備した。ベルギーの内務大臣は、3回の爆発がすべてテロ事件であると確定した。ベルギー捜査当局は、テロリストが逃走した可能性があるとして行方を追っている。「欧州の心臓部」にあるブリュッセルを襲った爆弾テロに、欧州全体が再び大きな衝撃を受けた。フランス、イタリア、ドイツ、オランダなど各国は迅速に措置を講じ、警戒を強めた。
ブリュッセル国際空港のスタッフによれば、1回目の爆発は出発ロビー内の米アメリカン航空のカウンター付近で発生。2回目の爆発はコーヒーショップの周辺で起きたという。爆発の10分前にブリュッセル空港に到着したばかりだったという生存者の1人は「廃墟の中から撤退した。まるで戦場のようだった」と語る。
その1時間後、ブリュッセル市の中心部にある地下鉄駅でも爆発音が響いた。爆発が起きたのは、列車がマルベーク駅に入ろうとしたときだった。この駅はEU本部からわずか200メートルの位置にあった。目撃者によれば、事件があったのはちょうど朝のラッシュアワーで、地下鉄の出口から大量の黒煙と灰が吹き出し、10人あまりが駅の外の路上に倒れていたという。