2016年は中国にとって、小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成の最終段階の始動の年であり、構造改革の難関を攻略する年でもある。この年、中国は壮大な計画を大いに展開する。(文:胡鞍鋼・清華大学国情研究院院長、行政学院教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
第13次五カ年計画の策定に関する中共中央の提言は今後5年間の小康社会の全面的完成の全体的目標とロードマップを描き出した。このため、国務院と関係部・委員会(省庁)は第13次五カ年計画綱要の起草を急ぎ、各方面から意見を募っている。
第13次五カ年計画の策定は科学的に行い、小康社会の2020年までの全面的完成という主要目標、主要指標を入念に設計し、重大な意義を持つ国家戦略を打ち出し、象徴的な国の重大インフラ、重大事業を打ち出し、実用的な重大措置、重要政策を打ち出し、最も際立った問題を解決し、最も明らかな欠陥を補うことに力を入れる必要がある。とりわけ五大発展理念は中国の経済・社会発展をさらに新たな段階へと押し上げ、全民に恩恵を及ぼすさらに高水準の小康社会の全面的完成を確保する。
次に、第13次五カ年計画期間の経済・社会発展の良好な始動を積極的に推進する。国の五カ年計画は本質的に国民の発展計画であり、政府が誠心誠意国民に奉仕する計画でもある。政府は国民が最もお関心を寄せる、最も直接的で、最も現実的な民生問題の解決から着手し、人の命の発展サイクルに従って人的資本投資を行い、基本的公共サービスを提供する。これには各級政府が公共サービス機能を履行し、公共資源を運用して保障するとともに、国の第13次五カ年計画の打ち出した公共サービスの必須達成目標の達成に全力を挙げる必要がある。重大な公共施設・インフラ事業を例に挙げると、第13次五カ年計画期間には少なくとも23種類のインフラ整備があり、これは第12次五カ年計画期間の2倍近くだ。同時に、これは「一帯一路」(1ベルト、1ロード)沿線のインフラ・コネクティビティ強化につながり、中国の経済的地理を再構築し、さらに大きな地域発展空間と国内経済の一体化を拡大するだけでなく、世界の経済的地理を再構築し、さらに大きな世界的発展空間と国際経済の一体化を拡大する。