中国の省エネ・二酸化炭素排出量削減における着実な行動と、低炭素発展による気候変動対応という中国の智恵も、世界の気候ガバナンスにとって貴重な参考となっている。世界銀行気候変動特使のレイチェル・カイト氏は気候変動パリ会議の会期中、中国が気候変動対応のために自主的に設定した目標は非常に着実なもので、低炭素型への転換を模索する中国の実践は世界にとって「よい手本」になっている、と明確に指摘した。ほかにも、中国は自発的に自国の国情、発展段階、実際の能力に見合った国際義務を負い、気候変動問題対応の上で責任を引き受ける大国の態度を実際の行動で示している。
さらに視野を広げると、次のようなことに気づく。「パリ協定」の深遠な意義は、それが世界気候ガバナンス史上の重要なマイルストーンだということ、そして世界経済の低炭素型への転換という強いシグナルを発したことにのみあるのではなく、国際社会が実務的に協力し寛容でともに参考にし合える世界ガバナンスのモデルを探る上で、この協定の採択が有益な手本を示したことにあるのだ。
共通の事業のために、190以上の国々が意見の相違の中から歩み寄り、困難の中で共通認識に達したこと自体、すでに人類の歴史上貴重な光景だったと言えるだろう。パン・ギムン国連事務総長は、「パリ協定」採択のために各締約国が見せた柔軟性と団結は、これまで想像もできないものだった、と感激を込めて述べた。
きな臭さは以前より減り、ポジティブなエネルギーが増し、対立は減り、建設性が高まった。気候変動パリ会議をありのままに描写するとこうなる。「パリ協定」の採択は世の人々にとっても啓発となった。「ゼロサムゲーム」の狭隘な考え方を捨て、各国、特に先進国はもっと分かち合いの精神を持ち、責任ある態度を示し、協力とウィンウィンの成果を各国で共有する。このような考え方に基づくことができれば、他の問題においても、相互に信頼し、広く協力し、世界が発展する、より素晴らしい未来が待っているに違いない。
「北京週報日本語版」2015年12月14日