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年越し料理を家族と一緒に食べられなかった7年間 派出所所長の鄧斌さん
本誌記者・金知暁  ·   2021-02-10  ·  ソース:北京週報
タグ: 警察;大晦日;社会
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春節(旧正月、今年は2月12日)を控えて、広東省恵州市の西湖観光エリアではランタンの飾り付けが終わり、町中いたるところでお正月ムードが高まり、市民たちも徐々に連休モードに入っている。しかし、警察官歴27年の鄧斌さんにとって春節の連休は普通に当直日であり、市民たちが安全に春節を迎えられるよう、むしろ鄧さんと同僚たちはいつもより忙しくなるという。

鄧さんは広東省恵州市公安局恵城区分局河南岸派出所の所長を務めている。彼が所属するこの派出所は恵州市の中心部にあり、管轄内には恵州市で最も大きい繁華街もあれば、開発がまだ進んでいない村もあって、住民の移動が多く、人々の出身などもさまざまなので、警務の仕事は煩雑だ。2014年に所長になって以来、鄧さんは毎年の大晦日と春節に自ら進んで当直を担当しており、春節の夜になってようやく帰宅できるため、一家団欒の象徴である大晦日の年越し料理をこれまでずっと食べ損ねてきた。「しかし、派出所の所長である以上、全力で責任を果たし、すべての仕事をしっかりとやらなければなりません。警察官になったことに、一生悔いはありません」と、自らの職業について鄧さんはいつもこのように語っている。

春節を前にして、鄧さんは警察官を連れて管轄地域の住民たちに春節連休中の火事や空き巣、電話やインターネットを使った詐欺などへの注意喚起を行い、さらに積極的に居民委員会や衛生管理部門と協力し、外地から恵州市に来た人々の防疫のための情報確認を進めている。また、管轄内に建築工事の現場が多いことを考慮し、春節前に給料遅配などのトラブルの発生を避けるため、鄧さんは何カ月も前から自ら建築工事の依頼側や請負側と連絡をとり、労働者たちと話し合いの場を持つよう調整した結果、給料は予定通り支払われた。「大晦日から元宵節(旧暦1月15日)まで、私たちは毎日パトロールをするようにシフトを組み、その他の関係部門と協力してランタン祭りの会場の安全確保や爆竹の管理などを行っています。簡単に言えば、この期間中に市民がいつでも警察官を見かけることができ、安全を感じられるようにするのです」と鄧さんは説明する。 

管轄内の商店に電話やインターネットを使った詐欺への注意喚起をする鄧さん(写真=恵州市公安局恵城区分局提供)

勤務中は少し厳しそうに見える鄧さんだが、同僚や住民からは「鄧兄さん」と親しげに呼ばれており、中国でよく言われる「困ったことがあったら警察官のところに行け」という言葉をまさしく体現する存在だ。鄧さんが赴任した2014年に比べて、現在では管轄地域の刑事事件や治安に関する通報は95%も減少したが、「ここ数年はトラブルに関する通報、特に家庭問題によるものが年々増加傾向にあり、私たち警察官はよく板挟みになります」と鄧さんは語る。

少し前、恵州市へ出稼ぎに来た若い夫婦が離婚をしようとして、娘の親権で争いになった。鄧さんはまず夫婦の親戚と友達に頼んで、早まった決断をしないように諭してもらい、夫婦が冷静に、相手の立場になって問題を考えられるよう、鄧さんは問題解決の糸口として、娘に両親それぞれの長所と短所を挙げてもらった。4時間以上も調停した結果、夫婦はようやく打ち解けて話せるようになり、今はすでに仲直りしたという。

家庭内のことは他人にはうかがい知れないとよく言われるが、この類の通報をよりしっかりと処理するため、鄧さんは自ら進んで家庭問題の解決に挑むだけでなく、より専門的な団体にも協力を求め、情理と法律にかなった問題解決法を模索している。2019年、鄧さんは恵州市婦女連合会と連絡をとり、結婚や家庭トラブルの予防と解決のための試験的プロジェクトを後押しした。通報を受けると警察官はすぐさま現場で対処し、必要と判断した場合、警察官は婦女連合会と社会奉仕サービスセンターに連絡する。ボランティアたちは当事者が直面している問題や本人の希望に合わせて、弁護士や心理カウンセラーなどを招き、カウンセリングや法的アドバイス、仲裁などの専門的な解決法を提供するという。

「一般的には感染症対策により家にいる時間が長くなり、家庭内トラブルも起きやすくなっていますが、2020年現在、私たちの管轄内ではそのような通報は増えておらず、むしろ20件余り減少しました。これは試験的プロジェクトが一定のプラスの役割を果たしたことの表れです」と鄧さんは嬉しそうに語った。

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