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現代の中国人はなぜ2人目の子供を望まないのか
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本誌評論員 蘭辛珍 · 2019-01-28 · ソース:北京週報 |
タグ: 人口;出産;社会 | 印刷 |
恒大研究院が公表した調査データによると、2018年における中国の出生数は約1500万人にまで落ち込むことが明らかになった。このデータは、2015年から施行された「全面両孩」(2人っ子)政策が当初の予想とは異なり、中国に出生率の向上をもたらさなかったことを表している。「全面両孩」政策とは1世帯につき2人まで子供の出産を認める政策で、かつて実施されていた1人っ子政策は子供の出産を1人までしか認めていなかった。
2014年の時点では「全面両孩」政策はまだ実施されておらず、その年の出生数は1687万人だった。2015年9月から同政策が施行されたのち、2016年の出生数は1786万人に上り、2000年以来の最高記録を更新した。ところが、2017年には中国の出生数は1723万人と減少に転じ、さらに2018年には約1500万人となった。
2018年は「全面両孩」政策実施3年目となるが、出生数はむしろ減少しているのが現状だ。この傾向が今後も続くようであれば、それは中国の人口ボーナスが完全に失われることを意味している。
継続的な低出生率は急速な高齢化社会を招く。高齢化の加速により、中国は「未富先老(豊かになる前に老いる)」という難問に直面することになる。改革開放後、豊富な労働資源は飛躍的な経済成長を支えた重要な柱の1つだった。もしこのまま低出生率が長期間続くようであれば、労働力の供給不足が予想される。2017年、中国の従属人口指数は39.2と、国への負担はまだ比較的軽い状態にある。中国の経済総量は世界第2位だが、一人当たり国内総生産(GDP)は未だに低く、中国は依然として世界最大の発展途上国だ。従属人口の増加が深刻化する前に、中国は出生率の継続的な低下を放置せず、バランスの取れた水準に保つことが急務であるといえる。
中国の出生率はなぜ低下し続けるのだろうか。それには4つの原因が挙げられる。
第一に人口抑制政策の影響だ。中国には伝統的に子供は多いほど福も多いとの考え方があり、かつての中国では子沢山の家庭はよくみられた。しかし、資源不足などを懸念した中国政府は、1978年から「一人っ子政策」を主とする計画的な人口抑制政策を実施し、一世帯につき産める子供は一人までとした。この政策はその後も続けられ、2014年にようやく緩和された。このような人口抑制政策は子沢山を良しとする中国人の伝統的な考え方を変え、数多くの中国人夫婦は「子供は1人いればよい」と考えるようになった。そのため、「全面両孩」政策が施行された今日でも、多くの夫婦は未だに2人目の子供を望まない傾向にある。
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