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チョモランマで氷河の夢を追いかける 康世昌さん
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本誌記者 李一凡 · 2017-10-13 |
タグ: 科学調査;氷河;社会 | 印刷 |
チョモランマで氷河の調査をする康世昌さん
「毎年氷河に調査に行かないと、元気が出ません。氷河の研究をしていると本当に楽しいですね」。雪氷圏科学国家重点実験室主任の康世昌さんは、自分が熱愛する科学研究生活を簡潔で素朴な言葉で評した。
氷河。絶景が広がり、はるか遠くにあり、神秘的で、そして人跡まれな酷寒の地。常人には想像できない劣悪な環境下で、康さんと彼の率いるチームは数十年変わることなく雪氷圏科学研究に身を投じてきた。彼らは知識と汗で、さらには命をかけて、国の科学研究事業のために力を尽くし、世界の最高峰で一つ、また一つと「氷河の夢」を追い求めてきた。
氷河研究にかける思い
国家重点実験室主任、博士課程指導教員、中国科学院「百人計画」入選者……康さんには無数の輝かしい肩書きがある。しかしこれらの他にも、特別な身分を持っている。中国共産党員だ。康さんは「中国科学院優秀共産党員」「中央国家機関優秀共産党員」という栄誉ある称号を授与されている。
1992年、甘粛省隴西出身の康さんは蘭州大学地理学部修士課程に在籍中、指導教員だった李吉均院士(学士院会員)の推薦を受け、青海チベット高原への崇拝と氷河への憧れを抱いて、ためらうことなく氷河研究の道に飛び込んだ。それから20年余り、毎年氷河科学調査が可能な5月から10月のほとんどを康さんは氷河で過ごしている。
氷河は地球の年輪だ。そこには歳月の神秘が刻まれている。そして氷床コアは神秘を開く鍵である。氷床コアとは、氷河の表面から氷底までを筒状に掘り出したもののことだ。氷床コアにはこれまでの気候・環境変化の情報が残されているだけでなく、人類の活動が気候・環境に与えた影響が記録されているため、世界の気候変動研究において極めて重要な役割を持っている。「氷床コアが氷河の深部から掘り出されるのを見るたびに、獲物を捕らえる狩人のようになりますよ」と康さんは言う。そんな情熱を胸に、康さんはこれまで9回も標高6500メートルのチョモランマ・ロンブー氷河に赴き、チョモランマ周辺の氷河で掘削されたもののうち現時点で最も長い142メートルもの氷床コアを掘り出した。現在、この142メートルの氷床コアは、貴重な研究材料として、蘭州の雪氷圏科学国家重点実験室に保管されている。
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