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ミャオ族の村人に「大伯母」と慕われる大学教授(一)
本誌記者 馬力  ·   2017-09-29
タグ: ミャオ族;貴州;社会
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貴州ミャオ族の多くの村々では、貴州師範大学国際旅遊(観光)文化学院の張暁松教授を多くの人が「大伯母さん」と呼んでいる。この呼び名はミャオ族にとっては最上級のもので、尊敬される人だけがこの名で呼ばれる光栄に浴する。自分に「大伯母さん」という身分をくれたミャオ族の人々のことを、張教授は親しみを込めて「苗親」(ミャオ族の親戚)と呼ぶ。  

張教授はこれまで多くの文化イベントを企画してきた。直近のものは、2017年8月20日夜に貴州省清鎮市で行われた「時光貴州小鎮」の閉幕イベント「両岸芸縁・貴州」第1回海峡両岸文化クリエイティブ観光商品デザインコンテストだ。閉幕式の舞台では、ミャオ族刺繍の大家である楊二耶牛さんと劉正花さんがミャオ族の正装に身を包み、「大おばさん」に対する感謝の気持ちを込めてミャオ族の民謡を歌った。 

楊二耶牛の刺繍作品

貴州89県、700余りの村々を訪ねてきたこの62歳の女性教授は記者に、「今日のような業績を上げられたのはすべて『苗親』たちのおかげ。彼らが仕事に対する無限のモチベーションをくれた」と語った。張教授と「苗親」たちをしっかりと結びつけたのは、26年間変わらず続けてきたフィールドワークだった。 

2000年、10年近くフィールドワークを続けてきた張教授は初めて季刀にやって来た。季刀は貴州省凱里市と雷山県の境にある村だ。「季刀」はミャオ族の言葉で深い淵という意味を持つ。村を流れるバラ川に深い淵があることがこの名の由来だ。 

「当時季刀に行ったのは、ニュージランドと共同で農村ツーリズム開発プロジェクトに取り組んでいたから。季刀を含むバラ川沿いの7つの村がプロジェクトの対象でした。季刀の第一印象は『汚い、雑然としている、劣っている』。人々の生活環境は極めてひどいものでした」。張教授はそんな環境でヤン(ミャオ族の発音を音訳)さんと出会った。 

「出会った時、ヤンさんはすでに72歳。息子は2人とも未婚でした。毎年息子たちが山でトウモロコシを少し植えるくらいで、家の収入はまったくなし。ヤンさんは私に、『生きていてもなんの楽しみもない。全然希望が見えない』と言いました」。ヤンさんの暮らしぶりを知った張教授の心にせつなさがこみ上げ、脳裏にはヤンさんの絶望した表情が深く刻まれた。 

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