米国は中国と付き合うにあたり、相互尊重が大国間の付き合いの道であることを認識する必要がある。米大統領選の結果の如何に関わらず、米国の対中関係発展には戦略的レベルの新たな視角と思考が必要だ。
米両党の大統領候補は22日、外交政策を議題とする最後の討論会を行った。中国については、中国を非難する陳腐な決まり文句以外に、米国は中国と「協力パートナー」になることができる、「中国の反対国」になることは望まないとの声が両候補から上がった。
米大統領選の年には中国関連の話題が常に出るが、今年のように大統領選討論会で特に議題として設定されるのは米国政治史上、実に異例だ。これは現代世界において、中国のたゆまぬ発展と強大化に伴い、対中関係が米外交の全局に重要な位置を占めていることを1つの側面から物語っている。中米の各レベルの交流は大変緊密で、中米関係は現代世界における最も重要かつ複雑な二国間関係の1つだ。中米関係をいかに扱い、処理するかが、すでに米政治家にとって大統領選の年の重要な課題となっていることは確かだ。
だが今回の大統領選を見渡すと、対中強硬姿勢の顕示を競い合う政治的計算によって、理性的で客観的な国際視野が一度は覆い隠されたことも遺憾ながら目にした。今回の討論会で、中国製タイヤに対する制裁関税の件を取り上げ、これによって米国の多くの雇用を維持したと主張する一方で、これが米国の消費者の利益をどれだけ損なうかにはあくまでも触れない候補者がいた。中国は「為替操作国」だと再び騒ぎ立てる一方で、人民元相場が市場の変化と需要に基づき変動しており、米国の専門家さえも現在の人民元相場はすでに合理的な市場水準に近づいていると考えている事実は全く顧みない候補者がいた。米国の知的財産権を「盗んだ」と度々中国を非難する一方で、知的財産権の保護において、先進国が100年余りかけて歩んできた道を中国はわずか30年余りで歩んだことは見て見ぬふりをする候補者がいた。こうした発言が今なお有権者を惑わし、ミスリードしていることは間違いない。
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