実は米大統領選の早い段階から、中国を説得材料に話をする両党候補の手法を潔くないと指摘し、中米関係の大局を損なうその近視眼的行為を厳しく批判する見識ある人もいた。キッシンジャー氏は「両候補ともに選挙戦で中国に対して無責任な論評をした」「どの国にも国内圧力が存在し、他国との相違を強調することは、米国の政治運動にも見られる」と述べた。また、両候補ともに極めてまずい言葉を使ったと指摘した。
だがその一方で、両候補ともに中国と協力する意向を申し合わせなしに口にした。これは共和、民主両党ともに現実的観点から、中国との協力を完全に避け、さらには敵視することが米国自身の利益にとってマイナスであることを意識していることを示している。キッシンジャー氏は「中国との付き合いはすでに米国の外交政策にとって最も基本的な問題となっている。しかも米国の政策は一貫性を保ち続け、最も党派間の相違がない外交政策となっており、1971年以降の8人の大統領は全て同様の道に従ってきた。この道が今後も継続されることを強く希望する。双方ともに不満はあるが、基本的目標については同意している。世界の平和と安定はともに米中関係に依存している」と述べた。
米国は中国と付き合うにあたり、相互尊重が大国間の付き合いの道であることを認識する必要がある。米大統領選の結果の如何に関わらず、米国の対中関係発展には戦略的レベルの新たな視角と思考が必要だ。その基本的判断は、中米が改めて交流の扉を開いてから40年余り後の今日、中米関係はすでにかつての相互隔絶・対立から、利益の結びつきが日増しに緊密化し、相互依存がたゆまず深まる現在のものへと発展したということだ。歴史事実がとうに証明しているように、中米間の共通利益は溝を遥かに上回っており、中米関係発展の本流は当然協力であるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年10月25日 |