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中国の人々の特色ある結婚観
本誌記者・植野友和  ·   2022-05-12  ·  ソース:北京週報
タグ: 結婚;お見合い;中日交流
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人は何かを背負った時、自分が本来持つ以上の力を発揮できる。利己的な目的ではやり抜けないことであっても、愛する家族のため、大切な仲間のため、はたまた祖国のためとなれば、話は変わってくる。一体、自分のどこにこのような力が眠っていたのかと驚くほどに、奮闘できるものである。

ただし、背負うものが大きければ大きいほど、辛いのも確かだ。生活や経済面などで妻に苦労をかけず、子どもを立派に育てるーー世の中のお父さん方の多くが担っている一見当たり前の責務であっても、それを果たすのは決して容易ではない。

ちなみに筆者は、できればそのような責任を担わず気楽に生きたいという性分である。ただし、確かに自由ではあるものの、家族を持つ喜びや子どもの成長を見る幸せとは無縁の人生ということになる。そのことはむろん、納得の上。何者にも縛られない生き方がいい、家で猫の世話をするだけで精一杯というのが筆者の考えであり、開き直りになってしまうが自分でも改めようがない。それはともかく、中国で暮らしていると一つ困ったことがある。周りの人が気をきかせて、縁談を持ってきてしまうのである。

中国の人々にとって結婚、そして子どもを持つことの意味は極めて大きい。それは最大の親孝行であり、人生における幸せであるという意識が強く、こちらの人々は子どもを本当に大事にする。日本にも同様の考えはあるが、レベルが違う。何しろ独身で年頃の者がいると、自分のような外国人であっても、「いい人がいるんだけど」と誰かがおせっかいをやいてくるほどである。

北京で働き始めてすぐの頃、あるお茶会に参加した時のこと。初めて会った人々に自己紹介で独身であると伝えると、帰り際には「私の顔を立てると思って、とりあえず会ってみない?」と、お見合いをセッティングされかけたことがある。何でも、中国語で「紅娘」という結婚の仲人をやっているそうで、これまで数え切れないほどのカップルを世話してきたから任せておきなさいということらしい。

中国の人々はせっかちなタイプが多いが、さすがに初対面の外国人にお見合いを勧めてくるのは驚きだった。むろんそこに悪意は1ミリもなく、ただひたすらにこちらの幸せを願ってのこと。自分は今のところ家庭を持つつもりはなかったので、残念ながら善意の空回りとなってしまったが、この件を通じて中国の人々の結婚に対する思いの強さを再認識させられた。

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