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それでも、私たちは武漢にいる
――武漢に留まり続ける日本人たち |
本誌記者 李一凡 金知暁 · 2020-02-14 · ソース:北京週報 |
タグ: 武漢;日本人;社会 | 印刷 |
中国中部に位置する重要な工業都市である湖北省武漢市には150社以上の日本企業が集まっており、トヨタ、ホンダなどおなじみの日本企業も武漢に工場を持っている。日本貿易振興機構(JETRO)の統計によると、留学生を含めて、合わせて500人以上の日本人が武漢で生活していた。
新型コロナウイルスによる肺炎が拡大して以来、日本政府は積極的に中国に支援を提供すると同時に、在留邦人の帰国を迅速に進めている。2月13日の時点で、日本政府はチャーター機4便を派遣し、湖北省に在留していた日本人600人以上を帰国させた。だが、現地に留まる人もおり、さらには武漢の人々とともに困難を乗り越えようとしている日本人もいる。
「私の学生、友人、同僚を見捨てるように日本に帰るという選択肢は頭に浮かびませんでした」
津田賢一さんは米国とドイツでそれぞれ7年、8年ほど暮らし、主に植物免疫に関する研究をしている。中国の文化と歴史に関心を持つことから、昨年9月に武漢の華中農業大学の教授に就任し、植物科学技術学院と農業微生物学国家重点実験室で教育と研究に従事している。
華中農業大学の津田賢一教授(写真=本人提供)
「正直、まだ武漢という街や人をあまり知らないです」と津田さんは本誌記者に語った。
武漢で暮らしてまだ6カ月弱、街や人にも詳しいとは言えないが、津田さんはこの都市を好きになった。「武漢はきれいな都市で、武漢の人たちもとても親切」と津田さんは語る。新型コロナウイルスによる肺炎が武漢で蔓延する危機に直面し、津田さんは実際の行動によって、武漢への支持を表した。「両親は心配して帰ってきてほしそうでしたが、私には面倒を見ている学生がおり、友人、同僚の中国人もたくさんいます。彼らを見捨てるように日本に帰るという選択肢は頭に浮かびませんでした」と、津田さんは日本政府からの退避通知を断り、武漢に残ることを決めた。
現在、津田さんは華中農業大学のキャンパス内に住んでいる。「大学内のスーパーには食料がいまのところ十分にあり、問題ありません。大学からマスクが提供されており、教員用アパートは毎日消毒されています」と津田さんは語る。津田さんの場合、日常生活はそれほど影響を受けておらず、新型肺炎によって通勤や研究が中断されることもない。
武漢に留まる日本人として、津田さんは多くの日本のメディアやネットユーザーから注目されている。仕事以外の時間に、津田さんはよくSNSで中国、特に武漢の最新状況を発信している。科学研究に携わる津田さんは事実と真相を非常に重視するが、ネットで広がっている武漢や新型肺炎に関するデマは津田さんを悩ませている。一部の日本のメディアは彼の意思を勝手に曲解したり、デマを流したりして、不安を煽っている。「ウイルスは怖いが、それより怖いのはデマとパニックです。デマを流すのは心底やめてほしいと思います」と津田さんは語る。
一方、嬉しいこともあった。新型肺炎の発生後、日本は積極的に中国に支援の手を差し伸べており、多くの日本人もネットで武漢にエールを送っている。そのような現象を見て、津田さんもまた武漢に残る決意を強めた。「日本と中国の関係がこれをきっかけに好転すれば良いなと思います。私は中国の皆さんと共にこの苦難に立ち向かいます」と津田さんは語る。
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