米日のこうしたやり方は、南中国海の平和安定のためにならないどころか、かえって対立を激化させ、地域一体化など重要な議題における協力の雰囲気を損なった。これに対し地域諸国は警戒を強めている。フィリピンが愚かにも仲裁裁判所の手を借りて、中国の南中国海における主権と海洋権益を強奪しようと企んでいることは、まさしく白昼夢を見るも同然である。中国がいわゆる「仲裁手続き」を受け入れず、加わらないことに法的根拠があり、仲裁手続きの結果は中国の主権を揺り動かせないことは、事実によっても証明されるだろう。南中国海問題で、フィリピンは大きな回り道をした挙げ句、最終的に対話と交渉による問題解決の道に戻らざるを得ないだろう。
米国は南中国海問題で中国を孤立させることを大いに望んでいるが、情勢は米国が設定した路線に沿って進展していない。中国は南中国海問題で孤立してはいない。大多数のASEAN諸国は、「南沙諸島の一部島・岩礁に存在する紛争は中国とASEAN間の問題ではなく、中国・ASEAN関係に影響すべきではない」「領土・海洋権益紛争の直接当事国間の対話と協議による解決を堅持するべきであり、中国とASEAN諸国には協力を通じて南中国海の平和安定を共同で維持する力があり、域外諸国は建設的な役割を果たすべきだ」とする中国の立場に賛成している。中国とASEAN諸国間の上記のような共通認識を支持する域外諸国はますます増えるに違いない。米国主導の西側世論がいかに煽り立てようとも、南中国海問題の本質を変えることはできず、中国とASEAN協力の主流を変えることはできない。ましてや中国の南中国海における主権と平和安定を守る決意を揺るがすことなどできないのである。
「北京週報日本語版」2016年5月9日