1936年、若き米国人記者エドガー・スノーは2台のカメラと24本のフィルムを携えて陝西北部を訪れ、長征を勝利のうちに終えたばかりの毛沢東、周恩来ら中国共産党指導者たちを何度も取材し、紅軍(中国共産党軍)と長征に関する大量の資料を収集した。そして有名なノンフィクション書籍『中国の赤い星』を著し、西側の読者に初めて中国共産党党員のリアルな生活と精神を伝えた。
『中国の赤い星』は出版されるとたちまちセンセーションを巻き起こした。その後相次いでロシア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、日本語など多くの言語に翻訳され、多くの西側の読者はこの本を通じて紅軍長征の物語を読むこととなった。スノーは、長征は英雄叙事詩であり、現代史上比類のない遠征だと称えた。スノーは読者に対し、自身の新作を次のように紹介している。「読者は、彼らを征服することのできない存在にした精神、力、欲望、情熱をうかがい知ることができる――こうしたものはすべて、断じて1人の作家が創り出せるものではない。人類の歴史そのものの豊かで輝かしい精華なのである」。
80年後の2016年10月17日、米国記者スノー夫妻が1930~40年代に独自の視点で中国革命と紅軍長征を記録した様子を描いたテレビドラマ『中国の赤い星』が、中国で視聴率の最も高いテレビ局の1つである湖南衛星テレビでゴールデンタイムに放送されている。先ごろ、本誌記者はドラマのヒロインであるエドガー・スノー夫人ヘレンを演じた米国人俳優のエリゼ・リボンズさんにインタビューした。