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五輪は新時代の日中関係を映す鏡
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· 2022-06-09 · ソース:人民中国 |
タグ: 中日関係;五輪;中日交流 | 印刷 |
世論調査から見える希望
今年の1月、私は「東京―北京フォーラム」の日本側指導委員会委員長に正式就任した。フォーラムでは両国の国民感情を毎年のように世論調査してきたが、残念なことに、昨年の結果は今までの中でも悪い部類だった。その原因は冷静に分析しなければならないが、まずはその事実をお互いが認めなければいけないだろう。
一方、両国民とも日中関係は大切だとは思っているので、その点には希望が持て、貴重な結果を得られたと思っている。よって、この考え方をどのように発展させ、現実のものにしていくか、そのためにはどうすべきかを考えなければいけない。
日中間の経済関係は1990年代から深まり、今日では切っても切れない関係になった。世界の工場と呼ばれ続けてきた中国は、消費水準が高まることで、今や世界のマーケットにもなった。日本経済は中国経済をサプライチェーンとして一体化していると言える状態で、もう逆戻りはできないと思う。実際、何らかの要因で中国での部品の製造が滞ると、日本の完成品の製造も滞るといったケースは数多く起こっている。中国にとっても日本はなくてはならない存在だ。そうした状況を見た国民が、日中関係は大切だと考えているのだろう。
対話で相互理解を促進
しかし世界の現在の政治状況では、政府間の関係を良くし続けるのはなかなか簡単なことではない。その点についても、われわれ民間は解決策を考えていきたいものだ。
最も効果的な解決策は、やはり対話を続けることだろう。それが相互理解を深める鍵になる。両国民の間には多様な考え方や感情があるが、対話なしには相互理解は不可能だ。「東京―北京フォーラム」はまさにその対話をし続けてきた。このような状況だからこそ、われわれがやってきたことを大切にしたいと思っている。
今年は日中国交正常化50周年という節目の年であり、この歴史を無にしてはいけないと思うが、現状でわれわれがすべきことは、決して簡単ではないだろう。
対話が大切だということは先に述べたが、結局われわれの最終的な関心事は、平和と共存だ。これを見失ったら全てがうまくいかなくなる。それをどのように実現するかを対話で探るのだが、経済なら経済、安全保障なら安全保障と、それぞれの専門家がしっかりと対話をしていくことが大事だ。それも一般的、抽象的な事柄を議論するのではなく、具体的でリアリスティックな対話でなければいけない。
ポジティブシンキングと未来志向も大切なことだ。過去を振り返ることも大切だが、そこで終わってしまっては意味がない。ポジティブな未来志向の対話を心掛けることが大切だ。
世論調査の結果の通り、今の日中関係は、どちらかというとネガティブな方向に向かっているということは認識している。だからこそポジティブ思考が大切だ。この局面を前に進める方法は、他にないだろう。
オリンピックの運営をしていると、世界には多種多様な人類がいることに改めて気付かされる。言葉、宗教、習慣は実にさまざまだ。そんな世界において、自分と異なる価値観を持つ相手を否定すれば、物事はネガティブな方向に向かってしまう。多様性を認め合い、その上で平和・人権といった人類共通の価値観を共有し、どうしたらポジティブな発展ができるのかを考えるのが、われわれが出すべき知恵だろう。
(聞き手=王朝陽 構成=呉文欽)
人民中国インターネット版 2022年6月9日
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